冬の汗は夏の汗よりもニオイがきつくなる。印象戦略コンサルタントの乳原佳代氏は「冬は汗を皮膚に出す導管に古い汗がたまりがちで、汗の濃度が高くなる。ニオイは人の印象を大きく左右するので、特に冬場こそ注意が必要だ」という——。
男性が、自分の脇のニオイに顔をしかめている
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印象は視覚だけでは決まらない

私は、企業や行政といった組織、または政治家や企業経営者といった個人を対象に、スピーチやそれに伴う服装や立ち居振る舞いなど印象全般の管理のサポートをなりわいとしています。

相手に好印象を与えたい。誰もがそう願うところです。しかし、話し方や服装などの身だしなみに気を付けていても、よく見逃されるものがあります。それは、ニオイです。

人は他者の印象を、どこから受けるのか。UCLA(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)のアルバート・メラビアン教授が提唱した「メラビアンの法則」によると、容姿や服装などから受ける視覚的印象が55%を占め、次に聴覚的印象、嗅覚などが続きます。話の内容は7%にすぎません。

つまり、相手に好印象を与えるためには、服装や立ち居振る舞い、話し方、言葉の選び方だけではなく、嗅覚は決して見落としてはならない重要な要素なのです。

以前、こんなことがありました。衆議院議員1期目のクライアントが「見た目も大事だけど、ニオイも印象に残る。先輩議員たちには、ニオイの管理もしてほしいなあ……」と私につぶやきました。

皆さんも、長年、上司の加齢臭に悩まされている方も多いのではないでしょうか。先述のようなニオイに関する相談を、私は時折受けることがあります。本人に直接指摘しにくい、それがこの問題の難しいところです。

表沙汰には成りにくいのですが、ニオイは職場の大問題。特に、冬場こそ、注意が必要なのです。本稿では、その理由と対策をご紹介します。