政治家は変わっても官僚は変わらない

役人の仕事とは、原則として、増税して規制を増やすことなのです。税金を与えれば与えるほど、役所の人たちは増税をする。彼らはそういう生き物だと思ってください。だから、すべての増税に反対しなければいけません。

自民党の中には逆に「法人税と所得税を下げて、消費税を上げましょう」と主張している人がいますが、これをやると、一瞬、法人税や所得税は下がるかもしれません。

しかし、役人はこう考えます。「万が一自民党政権から野党の左派政権に政権交代したら、政治家を説得して、所得税や法人税はそのときに引き上げればよい。政治力も弱いだろうから、消費税もさらに引き上げられるかも」などと思っていてもおかしくありません。

すでにある所得税や法人税、消費税をいかに増税するかの研究はもちろん、新税導入のための研究をする調査発注費や圧力団体を通じた増税のための広報費用はすべて、僕らから絞り取った税金から出るのです。

減税に賛成できない議員は落選させろ

だから、僕たちは、すべての増税に反対すべきなのです。何かの税金を上げて、何かの税金を下げるなど、原則として無意味です。

彼らにエサを与えると、さらなるエサを求めて増税するだけ。そして、増税と減税のペースを比較すると、増税のほうが圧倒的に早い。

当たり前です。役所や政治家、そしてその取り巻きの「利権をよこせ連合」は増税したいのです。増税したくてしたくてしょうがない人たちに、無党派層の人が控え目に「すみません、減税してください」と言ったところで、どちらを一生懸命やるかは火を見るより明らかです。

増税の話は一瞬で決まりますが、減税の話はまったく進まない。今のままでは、変わらないのです。

敵は上げやすい瞬間に、上げやすい税金を上げるだけ。つまり、そのときに政治的に抵抗が激しい税や社会保険料はひとまず置いておいて、抵抗が弱いところを狙って上げてくる。国民負担率が増加し続けているのがその証拠です。

だからこそ、すべての増税に反対することを政治家に約束させなければいけません。政治家が「○○増税なら賛成」と言い始めたら、ソイツにはもう票を入れない。落としましょう。一つでも穴が開くと、その穴はだんだん大きくなり、収拾がつかなくなります。

底なしの漏斗に流れ込むお金
写真=iStock.com/Mike_Kiev
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