三菱自動車、ジェットスター、東芝など、9月に入って大手企業が次々に人員整理を発表している。自分の会社でリストラが始まったとき、生き残るにはどうすればいいのか。リストラ評論家の砂山擴三郎氏が「リストラ面談に呼ばれたときの8つの裏ワザ」をアドバイスする――。

※本稿は、砂山擴三郎『今どきサラリーマンのためのリストラされずに会社にぶら下がる方法』(主婦の友社)の一部を再編集したものです。

両手を握りしめた2人のビジネスマンが反対側に座っている
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会社のペースに乗せられるな

早期退職・希望退職を会社側が募集し、個別に社員に退職勧奨(いわゆる肩たたき)する場合に必ずつきものなのが、会社側による対象者への「面談」だ。一方的に会社都合で退職させたり解雇することの難しさを知っている会社の狙いは、「面談」を通じて本人を説得し、納得させて退職させることなのだ。

会社側は戦力外社員とみなせば、退職してもらうためにあらゆる手を尽くす。普通のやり方ではなかなか本人が「承知」しない。中には「連日のように面談、休憩なしの長時間拘束、大声・威嚇・暴力・嫌がらせなどを伴う面談、多人数による面談」で強引に明らかな法違反の退職強要がなされることもある。

それだけに会社ペースでの面談になって、退職に追い込まれることのないように自衛手段を講じる必要が出てくるのだ。以下、会社側を押し返すための8つの裏ワザをお教えしよう。

裏ワザ1 想定問答のロールプレーイングする

ある程度の規模のリストラをする企業は、専門企業から手ほどきを受けるのが普通だ。その場合、リストラ対象者との面談のやり方のスキル・テクニックを二日間ほどの研修で面談者に徹底的に覚え込ませるときに使われるのが「リストラマニュアル」(別名「辞めさせマニュアル」)である。新聞や週刊誌の特ダネ記事とかスクープとして報じられることがしばしばあるが、今はネット上で容易に入手できる(「リストラマニュアル」で検索)。

このマニュアルは何種類もあるが、ほとんど内容は変わらないのでどの会社のケースにも使えるだろう。これを見れば、面談者の心構え・注意事項・面談のやり方・問答内容が詳細に記述されている。読めば相手の手のうちがよくわかるので「百戦危うからず」だ。

特に問答内容はビックリするくらい同じ。こう言われたらこちらもこう切り返そうと事前の準備が完璧にできる。あまりにも想定どおりに対応できるので、不謹慎だがゲーム感覚で対応できる。そのため、ある人が思わず「笑み」をもらしたため面談者から叱責された、と聞かされたことがある。

問答のポイントについては、拙著『仕事のできるあなたが、なぜリストラされるのか』に詳しくある。

なお、会社側がリストラマニュアルを使っているかどうかを確かめる方法は簡単だ。面談室で面談者が自席の斜め前に座っていれば(もう一人いる場合は自席の横手)、このマニュアルを使っていると判断できる。試しに座る場所を変えると、面談者も変えてくるはずだ。「真向かいに座る」ことは対立関係になるからと、マニュアルでは禁じているからだ。