新規開拓できない営業マンの苦悩

政府の緊急事態宣言を受けて、われわれのビジネスにおけるコミュニケーションも、対面から非対面への切り替えが進みました。グループ傘下の野村證券でも、約1カ月間にわたり、国内の全支店で店頭業務を休止するなどの影響が出ました。

野村HD グループCEO 奥田健太郎氏
野村HD グループCEO 奥田健太郎氏

ただ実際にやってみると、思ったよりもスムーズに非対面へ移行できたというのが率直な感想です。もともと証券会社は株式の注文を電話やオンラインで受けることも多く、既存のお客様とのコミュニケーションはこれまでもデジタルを活用した非対面を取り入れていました。実は支店窓口への来客数も銀行に比べてそれほど多くありません。ですので、お客様への影響は限定的だったと思います。

むしろコロナショックによってマーケットがかなり動いたので、お客様からの非対面でのお問い合わせや注文、口座開設の申し込みなどは、想定より多かったほどです。

とはいえ、非対面の課題も見えてきました。法人や機関投資家への営業はテレビ会議システムで以前と変わらず商談ができますが、個人のお客様はこうした環境が整っていないケースも少なくありません。また、オンラインにおける情報管理は課題として残っています。