「90%は不良です。あいつらは駆け引きはしない。ゴングが鳴ったら即レッドゾーン。正面衝突します」

「ジ・アウトサイダー」というアマチュアの総合格闘技大会が注目を浴びている。試合会場に集結する選手は、自ら応募した全国の暴走族、ギャングのリーダーや、伝説のストリートファイターたち。プロではない。ほとんどは、いわゆる地元の“ワル”である。

詳細は、>>リングスHPまで。
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詳細は、>>リングスHPまで。

主催するリングス代表で元総合格闘家の前田日明氏が冒頭に評するように、魅力はその一触即発な雰囲気。数千人規模の会場は常に満員札止めだ。

プロの格闘イベントは多いが、それらはよくも悪くもエンターテインメント。しかし、この大会は肉と肉、骨と骨とが激突する筋書きなき闘いである。

「腕力は、あいつらの最後の砦。だから試合に全人格全人生をかける。たとえ実力的に劣っていても、粘りに粘って、逆襲する。絶対一歩も引かない、その姿にはどこか華がある。オニヤンマの空中戦のようだよ」(前田氏)

戦国武将が鎧や甲冑に蜻蛉(トンボ)の模様を施すのは、トンボが決して後ろへ退かず、素早く前進して攻撃し、守勢に回ったら横移動して防御する、その優雅で勇敢な姿に敬意を示したからだという。

「将来的にはアウトサイダー出身のプロを養成したい。またこの大会を、やむなく社会の底辺で生きるあいつらの更生プログラムにしていきたい」(同)

聞けば、客席には怒号をあげ地元代表の選手を応援する男気溢れる人々のほかに、普通の会社員の姿も多いらしい。ある男性ファン(38歳)は「ピーンと張りつめた空気のリング上で殺気立った選手たちの泥臭いファイトを見ると、自分も『まだまだこれから』と思える」。正念場が続く日本経済。観衆は彼らを見て、自分の中に眠るもののふの魂を呼び起こしているのか。