コミュニケーションの「ルート」と仕事プロセスの「ルート」

次の「ルート」には、2つの意味があります。コミュニケーションの道筋としての「ルート」と、仕事のプロセスとしての「ルート」です。

リアルでの仕事の場合には、なんとなく曖昧になっているコミュニケーションのルートですが、テレワークでは、「誰にどんな順番で伝えるのか?」は意外と大切です。職場では、物理的に近い席にいる人から入ってくる話が、知らず知らずのうちに重要な情報源となっていたかもしれません。テレワークでは積極的に取りに行かなければ、その情報は入ってこない可能性があります。

また、仕事のプロセスも改めて見直しおかなければ、職場でリアルに相手が見えなくなることで、抜け漏れが発生する場合もあります。

特に、紙ベースの書類などは、現物があるからこそ作業の流れが見えますが、オンラインになったとたんにプロセスが崩れて、ミスや工程漏れが起きがちです。思い切って業務を改善するチャンスにもなるので、これを機に、仕事上の関係者へのコミュニケーションのルートと仕事のプロセスのルートを整理して可視化しましょう。

チャットツールを活用して、仕事の重複を解消

「ルート」を見直した職場の例には、このようなものがあります。FAQ(よくある質問)をまとめる業務を複数でやっているチームの半数がテレワーク、半数がオフィスで仕事していました。公開されたFAQだったため、複数の顧客から記載が間違っているという指摘がありました。それぞれ離れた場所にいる電話を受けた人やメールを受信した人が、同時にFAQを修正したところ、同じ件を複数名が対応することになり、混乱が起きました。

そこで、仕事の主担当と副担当を決め、FAQの問い合わせが入った場合のプロセスを決めました。まず、共通のチャットに起きた出来事を記載して、自分が対応することを伝えます。そうすれば、その後、同じ件についての連絡が入ったときにも、まずはチャットを確認して同一案件がなければ自分が担当すればよいということになり、効率的に仕事が進められるようになりました。