ところが仕事ができる人で、なおかつ学歴が高かったり、英語ができたりすれば、評価が跳ね上がります。そのような性質のものです。社会に出て仕事を始めたら、まずは「仕事ができる人」にならなければ話になりません。

麻雀では常に二者択一を迫られます

それにもかかわらず、なんとか語学力を活かしたいと固執しているような人や、学歴がプライドになって仕事を選んでいる人を見かけることがありますが、それはドラが出世を妨げている状態と言えるでしょう。

また、序盤で大物手を連発して点数を稼いでしまったときは、「金持ち喧嘩せず」という言葉を心掛けたいところです。

懐深く構えることの大切さも、麻雀が教えてくれます

大差をつけて1位でいるときは、2位が追い上げてくるリスクをそんなに考える必要がありません。先制リーチを受けても、無理をせず様子見を決めていたら、2位以下がお互いに振り込み合うなど、点差があまり変わらないまま対局が進んでいくこともあるからです。

2位以下はトップを走る“金持ち”に追いつくためにも、できれば直接打ち取りたいと思っています。しかし、全然参戦してくれない、と。前回のコラムで、「戦略は相手が嫌がることを」と書きましたが、潔く参戦することで相手を喜ばせてはいけません。

金持ちではないときも、心に余裕が必要です。そうでなければ「慌てる乞食はもらいが少ない」という状態になりやすいからです。

大きな手が狙えるチャンス手が入っても、鳴いて安く上がってしまう、なんてことは心のどこかで焦っているときに起きやすい。また、プラスしているときに、大きな勝利を収めることができない人は、もっと稼げるのに早く勝ちを確定させて安心したくて、慌てている状態です。まさに「慌てる乞食はもらいが少ない」です。

株式投資などでも、ちょっと利益が出たタイミングで売って利益を確定してしまい、後からもっと上がって後悔した、なんて経験がありますよね。マイナスするときもプラスするときも、懐深く構えることの大切さも、麻雀が教えてくれます。

セゾン林野会長の麻雀熱・麻雀愛

前々回、ドン・キホーテ元会長の安田隆夫さん(現・創業会長兼最高顧問)は、麻雀が強いという話を紹介しましたが、経営者の中で、私と同様に麻雀愛がとても強いのはクレディセゾン代表取締役会長CEOの林野宏さんです。著書『誰も教えてくれなかった 運とツキの法則』の中でもたくさん麻雀について触れています。

私が立ち上げたMリーグは麻雀プロのリーグ戦ですが、林野会長は社会人リーグを立ち上げています。「麻雀企業対抗リーグ」というもので、クレディセゾン、富士通、エイベックス、凸版印刷など、業種を問わずさまざまな企業が参加し、各社の麻雀が強い社員4~10名くらいが代表選手となって腕を競い合っています。我々サイバーエージェントも参加しており、もちろん私自身も選手として出ることがあります。