十分な睡眠こそが「最強」である

今月の第1位は『睡眠こそ最強の解決策である』。これ一冊で、睡眠に関する基礎知識から、いま注目されている研究まで、理解できるようになります。

マシュー・ウォーカー『睡眠こそ最強の解決策である』(SBクリエイティブ)
マシュー・ウォーカー著、桜田直美訳『睡眠こそ最強の解決策である』(SBクリエイティブ)

著者のマシュー・ウォーカー氏は、カリフォルニア大学バークレー校の教授です。睡眠コンサルタントとして、数々のメディアで睡眠を科学的に解説し、睡眠との正しい向き合い方を提案しています。本書によると、睡眠を十分にとれば、肥満や病気になりにくくなるだけでなく、記憶力や運動スキルまで高まるといいます。逆に言えば、睡眠を十分にとらないと、さまざまなリスクが高まるということ。

「成果を出すために徹夜をする」というのは、時代遅れの風習にすぎません。睡眠は、仕事や私生活での成功をつかむために欠かせないものです。本書を読み、十分な睡眠をとる習慣が身に付けば、仕事や私生活がより豊かになるのは間違いありません。

ビジネスで使える「推論」の力

羽田康祐『問題解決力を高める「推論」の技術』(フォレスト出版)
羽田康祐『問題解決力を高める「推論」の技術』(フォレスト出版)

第2位の『問題解決力を高める「推論」の技術』は、「推論」の大切さを解説しています。「推論」というと、難解なイメージを持たれるかもしれません。しかし本書は、そうした意識を取り払ってくれる良質な入門書です。推論法を身に付け、ビジネスで使うための手順が書かれています。

AIの普及により、多くの職種が淘汰されるといわれる世の中、大量の知識を覚え、決められた手順を効率的に行う能力は、あまり役に立たなくなるかもしれません。その一方で、自らの頭で推論し、問題解決に生かす力は、これからも変わらず重宝されるはず。いわゆる「頭の良い人」とは、推論の習慣を自然に身につけ、実践している人物なのです。

新たな法則、仮説を発見し、未来を予測できるようになる力の身につけ方と生かし方が、この一冊でわかります。