小学生に教えるのは中高生より難しい

わが子を少しでも良い環境で学ばせたい。中学受験をする家庭の親はそう話す。その“良い環境”とは、偏差値が高く、大学進学実績のいい学校であることが多い。しかし、そういう学校を目指すとなると、普通の小学生の学力では太刀打ちできないほどの難しい問題に挑戦することになる。

多くの中学受験塾は、「うちの塾から何人を御三家に合格させたか」に重点を置いているため、カリキュラムは難関校に入れるレベルで作られている。しかし、そのカリキュラムにラクラクついていける子はそう多くない。そのため、私のような中学受験専門の家庭教師の指導を求める家庭が増えている。

ひとくちに家庭教師といっても、そのレベルはさまざまだ。小学生に教えるくらいなら大学生でもいいだろう、塾講師の経験がある人だから大丈夫だろう、などと思ってはいけない。

私は中学受験、高校受験、大学受験とそれぞれの指導をしてきたが、小学生に教えることほど難しいものはないと感じている。特に中学受験は、小学生の子供にとっては理解が難しい抽象的な問題が多いため、どこがわからないのか、どこからわかりづらくなっているのか、原因を深く探っていく必要がある。

家庭教師さえつければ成績が上がるわけではない

小学生の子供は精神的に未発達なため、その日のメンタルに波がある。こうした特性を理解せず、一方的に指導をしても効果は低い。さらに、中学受験は親の精神的なフォローも必要になる。これらがすべてできる家庭教師はそう多くはない。そのため、必然的に金額は上がる。

多くの親はそのことを理解しないまま、家庭教師さえつければ、成績が上がると思い込んでいる。家庭教師は魔法使いではない。よい家庭教師と残念な家庭教師がいることは確かだ。同じ高いお金を払うのであれば、よい家庭教師に出会うことだ。それを見極める力が親にあるかが問われる。

よい家庭教師は「テキストを教える」のではなく「テキストで教える」。そして「その問題の解き方を教える」だけではなく、「その解き方ができる道筋を教える」。だから、すぐに10点、ポーンと成績を上げることができるのだ。子供を伸ばす短期と長期のプランがあるか、その経験が問われる。また、よい家庭教師の授業は、子供の表情が明るくなる。「子供が勉強を楽しんでいるか」は大きな見極めポイントになる。