好きだからこそリスクをとる

――やっぱり好きな人じゃないと、ここまでのサウナはつくれないですよね。

【中村】そうですね。僕も以前は温泉が好きでサウナはたまに入るくらいだったんですけど、ちょうどカプセルホテルの検討を始め、太田さんと知り合った頃から一気にサウナにハマって、フィンランドの本場のサウナにも行きました。今はできる限り「かるまる」にいて、お客さん目線で改善すべきところがないか確認しながら、週4~5日はサウナに入っていると思います。

やっぱり温浴施設をつくる時には、好きな人じゃないとリスクを取って良いものは作れないと思います。たとえば、水風呂の温度ひとつにしても「心臓発作になったらどうするんだ!」「危ない」と言われてなかなか温度は下げられないことがあるんですよね。でも、好きだから、シングル(10℃未満の水風呂)の良さを知っているから、ジェットありで9℃という攻めの温度設定にしました。

【太田】イベントの時などは4℃までやろうと思っています。ウェルビーさんに挑戦ということで(笑)。

写真提供=筆者
超低温水風呂「サンダートルネード」

超ハイレベルなサウナと水風呂

――気になる「かるまる」のサウナについて教えてください。

“サウナ王”太田広氏

【太田】「岩サウナ」「ケロサウナ」「蒸サウナ」「薪サウナ」の4種類があります。

「岩サウナ」には600kgもの大量のサウナストーンを使用しました。普通のサウナはせいぜい300kgくらいなので、通常の倍です。なぜここまでたくさんサウナストーンを使うのかというと、思いっきり熱くしたかったから。4つもサウナをつくるのだから、1個はめちゃくちゃ熱い部屋を作りたかったんです。

そしてこの「岩サウナ」のもうひとつの特徴は映像を流すことのできるプロジェクターと音楽を流すことのできるスピーカー設備。ベンチの配置もシアター形式になっていて、これでショーアウフグース(音楽にあわせて踊ったり、演劇のようにパフォーマンスをしたりするアウフグース。大会があり、技術はもちろん、ストーリー性や演出によっても審査される)ができるようになっているんです。日本には、アウフグースの世界大会への参加資格はまだないのですが、将来的には日本の熱波師を世界大会に送り込みたいと考えているので、そのための練習の場としてこの日本初のショーアウフグースサウナ室を作りました。