フミコフミオ氏は、月間100万PVを誇る人気の会社員ブロガーだ。なぜ匿名でブログを書いているのか。彼は、「決して安全な立場から発言をするためではない。匿名で書くことで、読者の感情に揺さぶりをかけられるのが楽しいのだ」という――。
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吾輩は匿名である

僕はフミコフミオ。匿名で活動をしている。

憧れの藤子不二雄先生にちなんでいいかげんに思いついた匿名を、かれこれ十数年も、使い続けている。藤子不二雄先生のように、二名体制になる予定も、ファンシーとハードコア、二つの作風を使い分ける予定もない。だから、フミコ・F・フミオとフミコフミオAで分かれて活動するつもりも、今のところはない。

この文章のテーマは、「なぜ僕が本名や正体を明かさず、フミコフミオという匿名で文章を書き続けているのか」であり、いいかえれば「匿名で活動するメリットとは何か」となる。

答えは、超シンプル。

「匿名で書くほうが楽しいから」だ。

匿名のメリットを聞かれると多くの人は「匿名であればこそ、安全性が確保されて、家族や所属する団体等を気にすることなく、または普段は言えないようなことをありのまま正直に書くことができる」という面白くない文句を口にするが、本気で思っているのだろうか、疑わしい。カッコつけているように僕には思えてならない。