家庭用ウオーターサーバー(宅配水)が脚光を浴びている。その理由はいうまでもなく、東日本大震災後、消費者の間に起こった備蓄用としてのニーズ。さらに、3月23日に明らかになった原発事故による東京の水道水への放射性物質混入への対策だ。この時期から、業界各社には消費者からの問い合わせが殺到したという。

日本の宅配水 売上高推移
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日本の宅配水 売上高推移

家庭用宅配水でトップシェアのアクアクララ経営戦略室長の内海勉氏は「これほど注目されたのは初めて。地震発生の翌日から、既存客の追加オーダーが相次いだ。新規申し込みも従来は1日当たり300件前後だったのが2倍になり、水道水汚染直後の3日間では2万件以上だった。5月に入っても通常時の3倍ペースが続いている」と話す。

ウオーターサーバーは、もともとオフィスや病院などに置かれていることが多かった。2000年頃から健康志向の高まりや参入業者の増加などで市場が拡大し、10年の市場規模は635億円。サーバーレンタル料を含め、平均すると1世帯で1カ月5000円程度(アクアクララの場合)となることから、家計に余裕のある中流層が主な顧客だった。20代後半から40代前半の「ウオーターサーバーで水を飲むことを楽しむ」人たちだ。そこに、今回の騒動で安全性を求める高齢者の契約も増えた。

今年も大きく伸びることが予想される。内海氏は「800億円程度のポテンシャルはあると思う」と話す一方で、「急激な需要増に容器やサーバーの資材調達が間に合わない」という実情も語る。しかし宅配水の認知度は高まっており、しばらく2桁成長は続きそうだ。