要は、「イライラ根絶」は無理なんですが、イライラコップにイライラが入る前に、察知してガードする「イライラガード」。必殺技みたいですね。「すぐあやまる」とか「わすれる」とか、「うなずくけどちがうことをかんがえる」のような(笑)、即実行できるスキルという感じです。「穴」も「ガード」もどちらも、もっておければ安心です。

そんなアンガーマネジメントの授業を子どもたちにした後、ボクはその日、出張に行くことになっていました。

予定の時間がせまっていました。学校の前でタクシーをつかまえて、即行で空港へ行きたかったのに、こういうときに限ってタクシーがつかまらない。

イライラ。下校していく子どもたちがそんなボクを見て、「ぬまっち、イライラコップ!」と言いました。

人間の心をコップに見立てて考えるのは、アンガーマネジメントの世界ではそう珍しいことではありません。どこかで聞いたことがあるのではないでしょうか。

でもそこをなぜ「イライラコップ」なんて新たにネーミングしているかというと、ちょっとマイナスな感情も、そういうポップなあだ名をつけちゃえば、クールダウンできるからです。

現にそのとき、ボクはけっこうムカついていたのですが、「イライラコップだよ!」と言われたことで、「あぁ、そうかそうか。オレいまイライラしてたよなぁ」と、脱力して笑ってしまいました。

人間関係のストレスは、押し込めた言葉の苦しさにある

社会人にとって一番のストレスってなんでしょうね。ボク的には「言いたいけれど言えない」人間関係なのではないかと思っています。

どんな企業に勤めていたとしても、社内に一人か二人は、性格が合わない人もいるでしょう。合わない人とはできれば離れていたいけれど、仕事上どうしても、顔をつきあわせなければならないときがあります。そのたび、精神的に疲れてしまうもの。

相手がなにか間違っていると思うことを言ったとき、ちがうんじゃない? と返せる関係なら、なにもストレスはありません。仲のいい友達や兄妹は、そうです。

しかし、言い返される恐怖やわずらわしさで、言いたいことを無理に引っこめてしまう場合があります。嫌な気持ちが、モヤモヤと胸の奥にたまります。人間関係のストレスの大部分は、この押し込めた言葉の苦しさに、起因しているのではないでしょうか。