同機種で楽天モバイルのSIMカードを使用するためには、端末のソフトウエアを最新バージョンにアップデートする必要があるが、HUAWEIのソフトウエアアップデートがすべての端末に配信されるまでは、最大2週間程度のタイムラグがある。私の端末にはアップデートが配信されておらず、SIMカードが届いてから1週間程度、回線を使用することができなかった。

この問題については、HUAWEI製スマートフォンでは以前から発生していたことで、今になって露見した問題ではない。そのため、リリース前に情報を集めていれば、対応できたはずだ。にもかかわらず、サポートは端末の型式とソフトウエアを混同した的外れな回答に終始し、有効な回答は得られなかった。

また、アプリ「my楽天モバイル」ではチャットでオペレーターとやり取りができるが、オペレーターの回答がエラーで読み込めず、現在でも回答を読むことができていない。

MNOとしては劣悪な対応

代替機などの提案もなかったため、1回線しか保持していないユーザーがメイン回線を楽天モバイルに乗り換え、同じ状況に遭遇した場合、スマホが1週間使えなかったと考えるとMNOとしては劣悪な対応と言わざるをえない。が、私を含むITウオッチャーの多くは、この楽天の惨事を今更驚かない。

アップデートが配信され、ようやくサービスを利用することができた。利用者を5000人に絞っていることと、私が東京23区内でしか利用をしていないおかげか、通信速度は非常に快適。楽天モバイルの電波でカバーしきれないエリアはauの電波を自動で利用する(ローミング)仕組みとなっているが、どちらの電波であっても、快適な通信速度がキープされていた。

だが、23区内であってもいきなり圏外になる、アンテナ表示があっても突然データ通信が不可能になる、SMSの送受信が遅延するというトラブルもあり前述の端末ラインナップやサポートの対応を踏まえて本稼働後も楽天モバイルを利用したいか考えたが「価格が同じであれば、絶対に他社を利用する」という感想を覚えた。

このクオリティで本稼働を迎えた場合、どれだけ価格面の優位性があったとしても、「安かろう悪かろう」になってしまう。このプログラムは最長で翌年3月まで続く予定だという。その間にユーザーの声を反映させ、クオリティをどれだけ向上させられるかが、楽天MNO成功のカギを握っているといえるだろう。

しかし、そもそも楽天はMNOの本格参入は当初19年10月としていたのを、基地局整備の遅延などから20年4月に延期し、今このテストサービスを始めている。同社の電子書籍事業のkoboに関しても、三木谷会長は「20年に日本の電子書籍市場シェア50%を取りたい」と13年に発言していた。現実的に不可能な発言を、楽天は「非開示」としていまだ撤回していない。

※楽天はプレジデント誌取材に、端末のアップデートに関しては「問い合わせ窓口のご案内不足」、アプリ・通信・SMSの送受信問題に関しては「フィードバックに応じ、より良いサービスを提供できるよう対応する」と回答。技術的問題や再発防止策についての言及はなかった。

(写真=時事通信フォト)
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