御用聞き2.0とでもいうべきビジネスの萌芽

この本の初めの章ではコンビニ大手3社が47都道府県に出店したということが紹介されています。店舗数は飽和状態に達したと考えられますが、売上高はスーパーのそれに近づいています。これはコンビニがニーズに応じて「あらゆる業態を飲み込んで成長してきた」ことによるものですが、筆者は「御用聞き2.0とでもいうべきビジネスの萌芽」と指摘します。時代の変化によって、ビジネスチャンスは変わっていくのです。

坂口孝則 著●データに基づき、「コンビニ」「エネルギー」「インフラ」「宇宙」「アフリカ」など20業界の未来を予測。(幻冬舎新書)

ほかにも24年に起きる変化としてアフリカの人口増を背景としてビジネスの勃興を挙げています。

“アフリカの人口増が、そのまま住宅を増やせば何が起こるだろうか。その際に問題となるのは、建築家が足りなくなることだろう。そして、建材の生産ノウハウなども、日本が優位性を持っている。”

ビジネスパーソンには、多かれ少なかれ何かしらスキルが身に付いています。副業のために新たにスキルを身に付けるのではなく、それをどう活かすかということを考えるのが得策ではないでしょうか。

組織のなかでのんべんだらりと仕事を続けているだけでは成功はできません。また、努力をしたからといって、必ずしも報われるとはかぎりません。時代の変化、それに即した稼ぎ方を嗅ぎ分ける能力を身に付け、身軽に動くことが、副業で稼ぐポイントだと考えています。

私は、過去の手帳やカレンダーなどを見返すことを「タイムマシン受注」と呼んでおすすめしています。手帳などの書き込みを見返すと、そのときにはさまざまな事情で実現できなかった商談やアイデアが見つかります。数年経てば状況が変化し、実現できるということもありえます。ビジネスに重要なのはスキルだけではなく、環境との掛け合わせです。

副業を始める前に、まず自分がどのようなスキルを有しているのか、それはどんな環境でなら活かすことができるのか、自己分析を行うのがいいでしょう。新卒ではなく、経験を積んだ社会人こそ、自己分析をする意味があるはずです。

▼スキルでなく視点の変換が大事

(構成=梁 観児)
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