SNSやゲームなどで「ネット依存」となる高校生が世界中で増えている。統計データ分析家の本川裕氏は「ネット依存の高校生は『生活満足度』や『学力』が低い傾向にある。酒やタバコと同じような規制を考えるべきだ」という——。
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高校生のネット依存が世界で増えている

3年ごとに実施されているOECDのPISA調査は、世界各国の15歳の学校生徒を対象にした国際的な学力調査であり、その結果には世界的な関心が集まる。同調査では、学力テストに合わせて、就学上の状況調査として、生徒の生活や意識について直接生徒に聞く調査を実施している。

前回はこの調査から「いじめ」の国際比較をとりあげたが、今回は、「ネット利用」についての結果について最新の2015年のデータを見てみよう。

わが国ではスマホやインターネットついてはマスコミが携帯電話会社から巨額の広告料を得ていることなどによってプラス面に比してマイナス面が報じられることが少ないとの印象をもっているのは私だけだろうか。ところが、国際的には子どもへの影響を中心に「ネット中毒」が大いに心配されている。

世界保健機関(WHO)が、本年5月にオンラインゲームなどにのめり込み、生活や健康に深刻な影響が出た状態を「ゲーム障害」(ゲーム依存症)と呼び、精神疾患と位置付ける「国際疾病分類」を正式決定したのもそのためである。

まず、世界の高校生がどの程度、SNSやネットゲームなどネット利用にのめり込んでいるかのデータを見てみよう。