低燃費化で「街乗りSUV」の車種が増えた

日本自動車販売協会連合会は2019年8月1日、7月の新車販売統計(速報)を発表した。調査によると、4~7月までの普通自動車および小型自動車におけるSUVタイプの売り上げは15万9108台(前年比116%)と伸長している。自動車ジャーナリストの永井隆氏は「人気上位の車種に共通するのは完全なクロスカントリー(オフロード用)ではなく街乗りタイプであることです」と指摘する。

SUVはもともと、キャンプなどアウトドア志向の一部の人だけに好まれていた。またボディが大きく燃費が悪いため、以前はガソリン価格の安いアメリカで人気が高かったという。

しかし、「日本の自動車メーカーが低燃費技術を進歩させたことと、街乗り向けのSUVの車種が増えたことで、5年ほど前からSUVの需要が拡大していきました」。

もう1つの人気を集める理由が「車を単純な“足代わり”と考えない消費者が増えた」ことだ。SUVはセダンタイプより高価であるうえに、近年は自動ブレーキやハイブリッドなど新技術の採用で自動車の価格は上がっている。

それにもかかわらずSUVが人気を集めるのは「個性的な車種が多いSUVを買うことで、“人とは違う”と訴えたい消費者が増えている」と永井氏。もうしばらく人気は続きそうだ。

(図版作成=大橋昭一)
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