よく使う言葉は「単語登録」をしておく

このようにチャットの用途によって自分の対応をルール化しておくと、迷わずにすみます。続いては、いずれの場合でも、さらに効率よくチャットを使いこなすための工夫をご紹介します。

●レスを素早くする工夫

頻繁に入力する文章や名称は単語登録をしておきます。スマートフォンでの文字入力は時間を取られるため、事前に登録しておけば簡単に入力できます。またチャットグループでよく使う文は文例集を作っておくと悩まずにレスできます。カジュアルすぎるスタンプはビジネスには向いていませんが、感謝の気持ちや相手をたたえるなど、ポジティブな感情表現の場合には、長い文章で言葉を尽くすよりも向いています。

●通知に振り回されないための工夫

次々と作られるグループ、四六時中鳴り続ける通知……これらが続くとプレッシャーでもあり、何が重要なのかが分からなくなってしまいます。とはいえ、全てのチャットルームでリアルタイムレスが必要なはずはありません。後でまとめて見れば十分な場合には、通知オフにしましょう。

また、「休日などのオフタイムは即レスしなくていい」などのルールを、参加者間で決めておきましょう。シフト制の仕事でチャットを使っている場合は、他の人が働いていると、自分が休みでもレスしなくてはいけない、というプレッシャーが強くなります。非番の時はオフにすることも関係者で決めておきましょう。

「了解しました」は不要と決める

●無駄レスを増やさないための工夫

気軽に反応できるため、簡単な応酬が続いて何十件、時には100を超える未読件数になることがあるのがチャットの煩わしさです。参加者が多い場合には特に問題になります。簡単な情報共有や諸連絡などに全員が「了解しました」「ありがとうございます」などのレスをしていると、それだけでチャットルームが埋まってしまいます。

参加者でルールを決めておけば、不要なレスを減らせます。情報共有する際に、「『了解しました』などのレスは不要です」などと伝えておくとよいでしょう。また、大抵のビジネスチャットツールにはタスク管理機能や調整機能などがあるので、それらを活用するとよいでしょう。

チャットは返信しやすさがウリではありますが、不用意なレスはウォールを不要な情報で埋め尽くして、必要な情報を埋もれさせてしまいます。私は駆け出しのコンサルタントだった頃に、「相手のメールボックスを不要なメールを何度も送って汚さないように気をつけなさい」というアドバイスを上司から受けました。チャットも同様に考え、グループメンバー全員でルールを決めると気持ちよく、かつ効果的なツールとして活用できるでしょう。

清水 久三子(しみず・くみこ)
アンド・クリエイト社長
お茶の水女子大学卒業。大手アパレル企業を経て、98年にプライスウォーターハウスコンサルタント(現IBM)入社。新規事業戦略立案、人材開発戦略・実行支援などのプロジェクトをリードし、企業変革戦略コンサルティングチームのリーダー、IBM研修部門リーダーを経て、2013年独立。『プロの学び力』『プロの課題設定力』『1時間の仕事を15分で終わらせる』『一流の学び方』『外資系コンサル流・「残業だらけ職場」の劇的改善術』など著書多数。http://andcreate-official.com/
(写真=iStock.com)
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