近年、夏場は上着を着ない方も多いと思いますが、外出先で上着を脱ぐエグゼクティブはあまりいません。人が見ていないところでしっかり汗対策を行い、涼し気な顔でスマートにスーツを着こなしていらっしゃいます。尚、エグゼクティブが集まる場には、いい香りがつきものです。上質な香水をウエストや太ももにつけているので、その香りがきつすぎることもなく、ちょっとしたしぐさでふわっと香るのです。

一目置かれる食事の作法

西洋式の会食で余裕を感じさせるのは「ナプキンの使い方」の上手な方です。ナプキンは膝の上に置くだけでなく、食事中に汚れた指や口を拭いたりするときに使います。飲み物を飲む前に膝の上に置いたナプキンを取って軽く口についた油を押さえ、グラスに食事の油がつかないように配慮したり、シェフが挨拶に来た際に口元を拭いてから声をかけたりと、優雅なナプキン使いは食事の雰囲気をよくします。

※写真はイメージです(写真=iStock.com/LightFieldStudios)

複数での会食では、皆がその場を有意義に過ごせるよう、主賓の部下にも多少は話を振りますし、飲み物の追加オーダーなども、自分の部下にさり気なく目配せするなど、その場を取り仕切ります。

当然、店員に対しても横柄な態度は取りません。自分が接待をする側で店に粗相があった場合、店を選んだ自分に責任があると考えますし、いい接待ができるよう、日ごろからその店に通って信頼関係を築き、事前に綿密な打ち合わせをして挑むためです。支払い時も会食相手に財布を見せて気を使わせるようなことはしません。サインで済ませられる店にしたり、相手が中座した際に済ませます。

へりくだらない、レディファースト

女性への対応は、男性から質問を受けることが多いテーマです。VIP御用達のホテルでサービス責任者を務める知人によると、「来店の際に女性を後ろから守るように歩き、女性を奥の良い席に通して座るのを見届けてから自分も腰を下ろす」ことが自然にできる方には、出世の早い方が多いそうです。

私自身も、スマートなレディファーストをしていただいた経験が何度かあります。レストランで「女性は一番いい席に座るものだよ」と、奥の席を勧めてくださった経営者や、車に同乗させていただく際、わざわざ車から降りて運転席の後ろの席を勧めてくださった経営者もいました。