だれでも天守閣の最上階に行けるように設置された

夕食会に出席した各国の首脳やその関係者らから直接の批判はなかったというが、ネット上には「本当に悲しくなる」とか、「安倍首相にはバリアフリー、共生社会といった考えや姿勢がない」、「なぜこの発言がうけると思ったのか」といった書き込みがあふれた。

大阪城の天守内には2基のエレベーターがある。1931年の再建当初からあり、そのうち1基が1997年にバリアフリー化で8階の最上階まで延長された。障害の有無にかかわらず、だれでも天守閣の最上階にまで行けるようにエレベーターが延長されたのだろう。安倍首相はその知識がなかったのである。安倍首相は社会常識に欠けるだけでなく、背景の理解にも欠けている。

6月30日付の朝日新聞の社説の見出しは「大阪G20閉幕 安倍外交の限界見えた」である。

朝日社説は「直面する課題に確かな処方箋を示せたのか、首脳外交の華やかさに目を奪われることなく、その成果を冷徹に問わねばならない」と書き出し、「採択された首脳宣言は、08年のG20サミット発足以来、明記されてきた『反保護主義』への言及が、昨年に続いて見送られ、『自由、公平、無差別な貿易と投資環境を実現するよう努力する』と記された」と指摘する。

これでは安倍首相はトランプ氏のかわいい“イヌ”だ

そのうえで朝日社説はこう書く。

「首相は閉幕後の記者会見で、『自由貿易の基本的原則を明確に確認できた』と強調したが、米国への配慮は明らかだ」
「『米国第一』を譲らず、国際秩序を揺るがし続けるトランプ米大統領の説得を、最初からあきらめていたのではないか」

「アメリカへの配慮」を行い、「トランプ氏への説得」をあきらめる。朝日社説の指摘の通りで、安倍首相はトランプ氏のかわいい“イヌ”と化している。日本の首相としての存在感のかけらもない。

さらに朝日社説は指摘する。

「一方、韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領との首脳会談は見送られた。中国の習近平(シー・チンピン)国家主席には『永遠の隣国』といって近づきながら、重要な隣国である韓国との関係悪化を放置するのは、賢明な近隣外交とは言いがたい」

安倍首相としては、調整役として激しい貿易摩擦を繰り返してきたアメリカと中国の間に入って、自らの存在感を示したかったのだろう。