医療費上昇
高血圧、糖尿病、認知症……“症状別”薬代を減らす法

基準値は医師の都合で変わる面も

医師に言われるがままに、たくさん薬を飲み続けていませんか?

ムダな薬代で家計を圧迫していないか、検討することは大切です。

たとえば血圧の上昇を抑える薬である降圧剤。

私は心臓の手術を2回受けていますから、テノーミン、ブロプレスなどを飲んでいますが、そうでない人が降圧剤を何種類も飲み続けるのは疑問です。

2019年4月25日発刊の『高血圧治療ガイドライン2019』で、血圧の治療目標値が「140/90」から「130/80」に引き下げられます。これにより「血圧が高い」と自覚する人が増えてくると思いますが、私に言わせてみれば、この数値は絞りすぎ。

私が学生のとき、昭和47年ごろの内科診断学では、基準値は「年齢+90」と習いました。

基準値は医師の都合で下げている側面もあるでしょう。なぜなら、薬がバカ売れするからです。

そもそも降圧剤を飲む目的は、血圧を下げるためではなく、高血圧が原因で起こる脳卒中などの疾患を防ぐためのもの。

年をとるにしたがって、自然と脳卒中のリスクは増していきます。脳卒中で死亡する前に、別の疾患で亡くなるかもしれません。

ですから高齢になっても降圧剤を飲み続ける必要があるかは疑問です。

医者から薬を何種類も飲まされている人もいますが、私に言わせれば、それらの薬を全部やめたとしても、寿命は変わらないとも思っています。

年をとったら、体に不具合が出るのは自然なことです。

血管は硬くなるし、心臓の働きや血圧の調整に関係する自律神経の働きも鈍くなってしまう。85歳を過ぎると、40代と比べて筋力が62%しかないんです。だから、トイレに行くにも転倒する。これはしょうがない。

現在は、アリセプトやメマリーに代表される認知症の薬も出ています。バカ売れしているのが現実ですが、飲まなくても大丈夫でしょう。

これらは認知症の進行を抑制するもの。脳の萎縮自体を止めることはできません。そのような薬が開発されたらノーベル賞ものです。

こうした認知症薬には興奮しやすいという側面があります。そのため、抗精神薬や抗不安薬なども処方され、さらに薬代がかさむという事態に陥るかもしれません。

続いて、糖尿病の薬にも改善の余地があるでしょう。

私も糖尿病を指摘され、以来、血糖を下げる薬を飲んでいます。たとえば、グリベンクラミドに代表されるSU剤。

これらには低血糖を起こしやすいという副作用がある。私も低血糖を3回起こして、だいぶきつかったなという印象があります。