都内に住む34歳の独身女性は、仕事のストレスによる衝動買いが止まらない。高額なソファ、美顔器、トイプードル、ロードバイクを立て続けに買い、食事は主に外食かコンビニで、飲み代は月5万円。年収600万円だが、家計は毎月赤字。それでも「ラクして儲けるために仮想通貨をやりたい」と話す。敏腕FPのアドバイスとは――。
※写真はイメージです(写真=iStock.com/a_kappi)

浪費グセは棚上げ、ラクして儲けたい独身女性の思惑

「貯金が毎年減り続けているんです。だから投資でお金を増やしたいです」

都内在住の独身女性・相沢葵さん(34歳・仮名)。貯金が減っているので、この先が不安だと思う一方で、コツコツと貯金をするのは性に合わず、投資でお金を増やすことを考えたいと考えています。

何やら身勝手な相談のようにも聞こえますが、実は独身の20代、30代の人たちは、男女問わず、毎月着実に貯金することにはモチベーションが上がらずに、投資でラクして儲けたいと考える傾向があるように思います。

30代年収約600万、ストレスで衝動買いが止まらない

相沢さんは不動産会社の正社員で、手取り収入は毎月33.5万円。ボーナスは年2回で年間総額は84万円ほど。年収は約600万円です。住まいは賃貸マンションに一人暮らしで、家賃は8.5万円。浪費さえしなければ、貯金のできる条件は整っています。

ところが、毎月の収支はギリギリで、1万~1.5万円ほど赤字の月もあるそうです。ボーナスは毎月の赤字補てんと、旅行や服・バッグ・靴のまとめ買いでほぼなくなり、そのほかに「欲しい! 買いたい!」と思うものが出てくると、貯金を下ろして買っています。典型的な「貯まらない家計」です。

「入社以来、給料天引きで財形貯蓄と会社の持ち株会に1万円ずつ貯金して、20代では200万円近くあったんですけど、30代になって仕事のストレスから衝動買いが増えて、貯金がだんだん減っていったんです」

イタリア製のソファに12万円、高級美顔器に3万円、おしゃれなロードバイクに9万円など、年に1、2回、「買い物欲」がおさえられなくなり、予定外の出費が発生してしまいます。昨年は誰もいない家に帰るのが嫌で28万円のトイプードルを購入しました。

仕事でたまったストレスを、買い物で満たしたい気持ちはわかります。ただ、当たり前のことですが、買い物をするとお金はなくなり、貯金もやがて底をつきます。そうした浪費グセを直さないまま、貯金をしようとしても、「やっぱり貯まらない。モチベーションがあがらない」と悪循環に陥ってしまうのです。