楽天モバイルに焦りの色が見える

「料金については戦略上、ちょっと秘密にしておきたい」

※写真はイメージです(写真=iStock.com/itakayuki)

2019年10月の携帯電話事業開始に向けて、基地局工事安全祈願祭に出席した三木谷浩史社長はメディアからの料金戦略に関する質問にお茶を濁した。

総務省に提出した計画では、料金プランについて、すでに格安スマホ「楽天モバイル」で提供している料金体系とほぼ同等と記されている。

その楽天モバイルは14年に本格的に市場に参入。当時、三木谷社長は「早期に1000万契約を目指す」と豪語していた。しかし、4年が経過した現在でも162.2万契約(MM総研調べ、18年3月末現在)と目標には全く届いていない。

そのせいか、ここ最近の楽天モバイルには焦りの色が見えていた。

例えば、格安スマホで先行するソフトバンクのサブブランドであるワイモバイルやKDDI系のUQモバイルに対抗しようと、この2社と比較検討しやすいプランとなる「スーパーホーダイ」を投入。他社では1年間しか割引が適用されないのに対し、楽天では2年間適用される点を優位点としているのだが、契約自体は3年間拘束される点がユーザーからの不満に繋がっている。

また、ネットユーザーからは「速度調査をすると楽天は高速なのだが、実際に使ってみるとそこまでの速度は出ていない。速度調査でいい数字が出るような細工をしているのではないか」と指摘をされていたりするのだ。

NTTドコモなどからネットワークを借りて参入している格安スマホの場合、NTTドコモに支払う接続料が決められているため、他の格安スマホと比べて柔軟性のある料金プランを作りにくいとされている。また、快適な通信速度を提供しようと思えば、それだけ高額な接続料を支払わなくてはならないため、採算が悪くなるとも言われている。

他社にネットワークを借りて事業を展開していくのでは、いつまでも勝ち目がないため、楽天としては、「第4のキャリア」として、自社で携帯電話事業への参入を決断したとされる。