目まぐるしく変化する現代、企業や組織には「スピード経営」が求められる。どうすれば速さは生まれるのか。人事評価クラウドを提供する、あしたのチーム社長の髙橋恭介氏は「3カ月を一年と考えて取り組むことで、4倍速で成果が出る」という。その理由とは――。

※本稿は、髙橋恭介『4倍速で成果を出すチームリーダーの仕事術』(PHP研究所)の一部を再編集したものです。

「速さ」がワクワク感を生む

私のチームマネジメントの特徴を一言で表すならば、「4倍速」ということになります。それだけ私はスピードというものを重視してきました。

※写真はイメージです(写真=iStock.com/aydinynr)

ですから、あしたのチームの時間軸は、通常の4倍速に設定されています。このため、社員の意識も成長スピードも4倍速です。

だからといって、社員が疲弊しているかと言えば、そんなことはまったくありません。みんな楽しそうに日々仕事をしてくれています。私どものオフィスに来てくださった方からは決まって、「みなさん活気に満ちあふれていますね」と言っていただけます。

私は、スピードには人間を魅了する何かがあると思っています。スポーツの世界では、誰もが1分1秒、いえ0.001秒でも速く走ったり、泳いだりすることをめざしています。新幹線が生まれたのも、リニア新幹線が生まれるのも、スピードへの憧れがあるからではないでしょうか。

元のスピードには二度と戻れない

ビジネスにおいても、同じことが言えます。

いつもより早くオフィスに行き、静かな環境で集中して仕事をしたとき、「夜の残業時なら通常1時間かかるような仕事が、朝だと半分の30分で終わった」というような経験はありませんか。もしあれば、こう思ったはずです。

「いつも、これくらいのスピード感で仕事ができたら楽しいのに」

4倍速の仕事術も、一度経験したら、その楽しさが忘れられなくなります。また、一度4倍速の仕事・成長スピードに慣れてしまうと、もう楽しくて元のスピードには戻れなくなります。

ベンチャーでバリバリ活躍した人は、そのスピード感あふれる仕事の楽しさを知ってしまったがゆえに、スピードの遅い大企業に入ると強いストレスを感じると言います。

インターネットにしても、光通信などの高速通信が当たり前になり、それに慣れてしまったら、もう昔の遅い通信環境に戻ることはできないでしょう。それと同じです。

想像してみてください。4倍速で仕事ができている自分を。4倍速で成長しているメンバーを。4倍速で成果を出しているチームを。

いかがでしょう。ワクワクしてきたのではないでしょうか。4倍速というスピードは、チームリーダーとしての仕事をこれまでになく楽しいものにしてくれます。だから、チームリーダーには、ぜひとも4倍速をめざしてほしいのです。