日本一の売り上げを誇るコンビニが東京駅構内にある。コンビニの1日平均売上高は、大手各社が60万円前後の中で、約1000万円と桁違いだ。日本一忙しい店長のマルチタスク術を聞いた――。

自分で考えて動けるスタッフを育てる

私が店長を務める「ニューデイズエキュート京葉ストリート」は、東京駅にある複数のニューデイズの中でも、最大級の“旗艦店”という位置づけです。東京駅の乗降客数は全国屈指で、通勤のお客さまのご利用が多いことに加え、新幹線乗り場や京葉線ホームへの連絡通路にも近いため、店の周辺は出張に行くビジネスパーソン、観光客などでいつも賑わっています。

JR東日本リテールネット 東京支店エキュート京葉ストリート マネージャー 君塚保二氏

当店の忙しさのピークは朝7~8時。主力である弁当・飲料やお土産類が飛ぶように売れます。例えば、「おにぎり」の1日当たりの販売個数は、およそ5000個(2018年11月)。1日当たりの平均ご利用者数は1万人を超えます。年末年始などの繁忙期には、お土産類など高単価の商品がよく売れることもあって、日販が1000万円を突破することも珍しくありません。

店長として短時間で多くの仕事を手際よくこなすために重要なのは、スタッフに仕事を任せること。私1人だけの力では、日本一忙しいコンビニのオペレーションを回すことは難しく、運営のカギはスタッフが握っているのです。

当店は現在、登録しているパート・アルバイトの方を含めるとスタッフが65人います。各スタッフのシフトは私が組んでいるのですが、全員と密にコミュニケーションを取るように心がけています。それに、当店のように忙しい店では、一つひとつ指示をしないとスタッフが動かないようでは、運営に支障をきたしてしまいます。そもそも私は24時間お店にいるわけではないので、スタッフのみで店を運営する局面が必ず出てきます。そこで、当店は、パート・アルバイトの方であっても、自分で考えて動けるような働き方にしました。

例えば、商品発注は、基本的に担当のパート・アルバイトの方に一任しています。そのほうがスタッフのモチベーションが上がり、定着率がよくなるようです。経験の浅い人でも、これまでの販売情報に基づいた「自動発注システム」を活用しながら、簡単に発注ができるようにしています。