この好調を先導するのが、元観光庁長官で現在は大阪観光局の理事長を務める、溝畑宏氏だ。

コスプレでおもてなしする溝畑大阪観光局長

溝畑氏は好調の要因として「大阪はもともと観光に対するポテンシャルが高いことが第一にある」と語った。

「大阪は京都や奈良、神戸といった観光地へ1時間程度でアクセス可能で、関西エリアには国宝や重要文化財が集中している。もう少し視野を広げれば北陸や瀬戸内にもアクセスでき、位置的なメリットが非常に大きい。また関西国際・大阪国際(伊丹)・神戸の3空港を有していることや、梅田駅を中心に繁華街や観光地が密集している点も有利に働いています」

立地的なメリットのほか、大阪は発展した食文化も有している。ニューヨーク・タイムズ紙の「17年に訪れるべき52の場所」にも大阪はノミネートされ、「究極の日本のごちそうが待っている」とのキャッチコピーで紹介された。

このように大阪市の持つポテンシャルを活かし、インバウンド産業を活性化させている溝畑氏だが、彼が最も自信を持っているのは観光客数の増加ではなく、消費額の増加だという。14年時点では約2600億円だった消費額が、17年には約1兆2000億円に増加。百貨店の高島屋でも、大阪店の免税売り上げは17%に達し、51年以来の売り上げ全国1位を達成した。また、高島屋では多国語を話せるスタッフや、アリペイ・ウィーチャットペイのような中国で広く流通しているキャッシュレス決済を導入し観光客を受け入れる態勢を見せている。

大阪のライバルは東京ではない、パリなんや!

5倍近い消費額の増加は偶然ではなく、官民一体となった観光への注力がある。

「旅行者の受け入れを強化するために、『Osaka Free Wi‐Fi』(無料Wi‐Fi)や多言語表記など、かなりのリソースをつぎ込んでいます。午後11時まで営業している観光案内所があるのも日本では大阪だけ」

また民間によるホテルの建設ラッシュや違法民泊の撲滅による合法民泊の推進など、観光客を受け入れる体制も急ピッチで整備中だ。