獲得ポイントに応じてステータスが決まり、これらの割引を毎年積み重ねた場合、最大で保険料が3割引に。逆に、獲得ポイントが一定以下だった場合、保険料が値上がりすることもあります。

最近、このような健康増進型保険の発売が相次いでいます。前述の商品以外にも、ネオファースト生命の「カラダ革命」や東京海上日動あんしん生命の「あるく保険」、損保ジャパン日本興亜ひまわり生命の「リンククロスじぶんと家族のお守り」、アフラックの「健康応援医療保険」など、加入後の行動次第で保険料が再計算されたり、還付金が受けられたりするのが特徴です。

人間、健康に越したことはないわけですから、毎日適度な運動をしてタバコは吸わず、健診も定期的に受ければいいのですが……なかなか実行に移すことはできません。

ですがこのような健康増進型保険に加入することで、自らの努力が保険料の割引やキャッシュバックという目に見える形で表されるため、行動心理学の観点から見てもモチベーションを維持し、コツコツと努力を続けやすいといえるでしょう。

ただし、健康増進という言葉に惑わされず、保険そのものの商品性や必要性をしっかり見極めることも肝心です。

今まで保険会社が感謝されるのは不幸があった際でしたが、保険に加入すると今よりも健康になるといった新しい形で感謝されるシステムが出てきました。今後、保険会社のあり方も変化していくのかもしれません。

黒田尚子
ファイナンシャルプランナー
CFP1級FP技能士。日本総合研究所に勤務後、1998年にFPとして独立。著書は『50代からのお金のはなし』など多数。
(構成=プレジデント編集部 写真=iStock.com)
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