マンション購入の際は、将来売却する可能性を念頭に「資産価値が下がらない物件」を選びたい。そこで、資産価値が落ちない駅をAI(人工知能)で全国調査した。

資産価値が落ちない、マンションを探せ!

5年後のマンション価格を、AIはどう予測したか――。

写真=iStock.com/voyata

弊誌は「おたに」の不動産価格予測サービス「GEEO」を使って、全国のマンション価格を予測した。「GEEO」は、過去の取引実績や人口動態、地域特性など1000種類以上のビッグデータを基に、独自のアルゴリズムによって不動産価格を予測するシステムだ。

2019年の消費税増税、20年の東京オリンピックを終えた23年の予測価格を全国の主要駅ごとに算出した。地図中の数値は、Aが18年の予測価格、Bは23年の予測価格、CはBをAで割った倍率だ。ただし、予測価格は過去の取引データを基に算出しているため、価格のボラティリティ(変動幅)が大きいエリアは倍率の振れ幅が大きくなりがちになる。例えば、東京都心部で大幅な下落予測が出ているが、これは08年のリーマン・ショック後に暴落したことが大きな要因と考えられる。従って、変動幅が過剰に出ている可能性もある。全般的に今回の予測では、都心部で下落予測が目立った。都心回帰が続くという通説は本当なのか。住宅ジャーナリストの櫻井幸雄氏、東京カンテイの井出武氏にAIの予測結果に対する理由を推測してもらいながら、探ってみよう。

都心5区で、下がる町は?

東京は今、「都心5区(千代田・中央・港・新宿・渋谷区)を中心に不動産価格が上昇し、さらに交通の便がよく、相対的に値ごろ感のある周辺エリアにも値上がりが波及しています」(櫻井氏)という状況。しかし、AIの予測でワーストの下落率1位はなんと都内を代表する高級住宅地の「広尾」、同2位は「六本木」だ。麹町や溜池山王、中目黒、恵比寿などの人気エリアも軒並み下落予測となった。「過去のデータから見て都心は高くなりすぎているとAIは判断したんですね。ただ、私は地方都市の衰退に伴う大都市への人口集中、外国人の増加によって高止まりするエリアもあると思います」(同)。その中で上昇率1位となったのは大田区「蒲田」。「これは完全に穴場。これまでマンション価格が抑えられてきましたが、今後上がっていくと予測したのでは。実際、大規模なマンション開発も始まっています」(同)。上昇率2位の港区「白金高輪」については、「高級住宅地の鉄板エリア。ほかは値崩れしてもここは別格です」(井出氏)。