リニア効果を如実に反映

「27年に品川―名古屋間の開業が予定されているリニア中央新幹線の経済効果への期待、名古屋駅前へのトヨタの本社機能の一部移転で駅周辺を中心に地価が上がっています」(櫻井氏)。上昇率1位の「高岳」は名古屋の中心的な繁華街、栄や今池の近くにありながら、大通りから少し入ると閑静な街並みが広がる高級住宅街だ。上昇率2位の「星ヶ丘」は若いファミリー層に人気のエリアで、商業施設や教育施設が充実している。

京都は、四条駅・烏丸駅を中心とした碁盤目状の旧市街地は、セカンドハウス需要で以前から高騰しているため除外した。上昇率1位の「山科」は、JRと地下鉄東西線、京阪京津線が利用できて足回りのよさはバツグン。京都市街地や大阪のベッドタウンとして人気だ。上昇率2位は「二条」。歴史ある建造物が点在するが商業施設や交通インフラ、医療機関なども整っている。「土地区画整理事業によって思い切った地域活性化を進めた二条は、今ちょうど注目され始めた場所」(櫻井氏)。

新幹線の停車駅は潜在力が高い

大阪は都心回帰で値上がりしているが、その都心の下落予測が目立つ。「タワーマンションが多い福島や天満、京橋など都心の商業エリアが再開発されていることもあり、このところ人気も不動産価格も上昇しています。AIの予測ではその辺りが軒並み下落予測ですから、上がりすぎと判断したのかもしれません」(井出氏)。上昇率1位は、新幹線の停車駅「新大阪」だ。ビジネス街だが、最近は周辺の再開発が進み、商業施設やマンションなどが建ち始めている。実際、「大手不動産会社が大型ブランドマンションを販売し、非常によく売れた」(櫻井氏)という。交通の利便性のよさも申し分ないが、さらに19年には「おおさか東線」が全線開業し、新大阪までつながる予定だ。「新幹線の停車駅は、熱海や三島が再開発で活性化したように大きなポテンシャルを秘めている。そういう意味では新大阪は有望ですね」(井出氏)。上昇率2位は堺市の「三国ケ丘」で、こちらは一転して落ち着いた住宅街で、ファミリー層に人気だ。「ちょっと離れた郊外で住みやすく、不動産価格の上昇がまだ波及していない。これから期待が持てるのでは」(櫻井氏)。

兵庫は下落が多くなった。「この地域には北から阪急、JR、阪神の順に路線が走っています。不動産市場もこれに沿った序列で、一般に阪急沿線が一番高いんです」(井出氏)。ところが、AIは、人気ランキング上位に必ず登場する阪急沿線は軒並み下落と予測。「すでに価格が上がりすぎ」と判断したようだ。なかでも、ワーストの下落率1位は阪急神戸線の「岡本」。逆に上昇率1位は、歴史のある住宅地「伊丹」に。ここは落ち着いた住環境で商業施設も充実。電車で神戸の中心地である三ノ宮まで約30分、大阪駅まで約20分、伊丹空港もバスで約25分というアクセスのよさでも人気だ。「伊丹駅近くで複合商業施設一体型の大規模マンションの販売が始まったことも上がる要因になっているのでは」(櫻井氏)。上昇率2位は「灘」。繁華街・三ノ宮の一駅隣りにもかかわらず、住宅街が広がるエリアだ。「都心部でありながら不動産価格が比較的安いことが上昇予測の要因だと思います」(同)。