読書の効果は、やはり絶大

調査の中でわかったのは、「東大生の頭の良さは、本の読み方によってつくられている」ということでした。「そんなバカな、本を読まない東大生だっているんじゃないのか?」と思う人もいるかもしれませんが、違うんです。本は本でも、教科書の読み方からして全然違うんです。

あまり知られていないことですが、東大は「入学試験では、教科書に書いてある以上の知識は出さないよ」と表明しています。ですので、入試には重箱の隅をつつくような問題は一切出されません。教科書に書いてある内容を、いかに噛み砕いて説明するかを問うなど「教科書をしっかり読み込めば答えられるような問題」が出されています。つまり、「1冊の教科書から、どれくらい多くのことを学んだか」で東大の合否が決まるのです。

そのうえ、東大生は読書法の工夫で「思考力」も鍛えています。「自分の頭で考えて、自分の地頭を鍛えるような読書」をしている。ただ受動的に「へーなるほどー」と読むのではなく、能動的に「これってどうしてなんだろう?」「この内容って、あの本で言っていたことと同じかな?」などと、さまざまなことを考えながら読む。しかもそれを、小さい頃から実践しているのです。

「もっと楽しく読む」ために工夫する

「東大生は、生まれた時から頭がいい」「凡人は絶対に東大に入れない」そう考えている人、多いのではないでしょうか。でも、ここではっきり否定させていただきます。そんなことはないです。だって元偏差値35でどんなに勉強しても成績が上がらなかった僕でも、本の読み方を改善することで東大に合格できたのですから。

「東大生の読書ってハードルの高いものなのでは……」と不安に思う方もいるかもしれません。そういう方には、東大生が本を読む時に一番大切にしていることをご紹介させてください。

それは、「楽しむこと」です。

東大生は何も、「頭が良くなりたい!」と思って本を読むわけではありません。「この本おもしろそうだな」「この本をもっとおもしろくするために、ここを意識して読んでみよう」と、楽しみたいから読書をして、楽しみたいから読書に一手間加えるのです。そこからスタートしているからこそ、読書を続けられるのです。