3年後に勝つのはどっちのドンか

自民党の歴史で最も盛り上がりを欠いたともいわれる2018年9月20日投開票の自民党総裁選は、連続3選を果たした安倍晋三首相が石破茂元幹事長の「善戦」を許して終わった。早々と続投が報じられた内閣の要である菅義偉官房長官、党ナンバー2の二階俊博幹事長は左団扇で暮らしているのかと思いきや、近年見ることができなかったほどの厳しい表情で熾烈な戦いに挑んでいるという。

それもそのはず、安倍首相(党総裁)の任期は残り3年。2021年9月には「安倍劇場」が終幕し、新しい「総理・総裁」が誕生する。「キングメーカー」(自民党関係者)と並び称される「2人のドン」を分析する。

菅官房長官(左・69歳)と二階幹事長(79歳)、どちらが勝つか。(時事通信フォト=写真)

18年最大の「選挙」である自民党総裁選の前後、2人の姿は沖縄県でしばしば見られた。故翁長雄志前知事の急逝に伴う沖縄県知事選の与党系候補応援のためだ。ある自民党担当記者が解説する。

「2人は18年9月に入り、3度ずつ沖縄へ応援に入っている。政府が目指す米軍普天間飛行場(同県宜野湾市)の名護市への移設を着実に進めるため、与党系候補を当選させたいというわけだ。とはいえ、1つの地方選挙であることを考えれば、この応援態勢は異常。その裏には別の目的もある」

菅官房長官が小泉進次郎氏と並び立てば、二階幹事長は自民党を離れた小池百合子都知事にまで応援を要請。閣僚や党幹部らも次々と沖縄を訪れた。