自分の名前で勝負するからこそ運が開く

つまり、「運を上げる」とは「自分の名前で勝負すること」。それは、あらゆる物事を「自分ごと化する」ことと同義です。

僕は、世の中で一番時間を守らないのは普通のサラリーマンだと思っています。僕にも経験がありますが、たとえば取引先との会議。前々から朝10時からだと決まっているにもかかわらず、「ちょっと別件で部長は遅れておりまして」「担当がちょっと風邪で来られません」などと、悪びれもせず言われたりします。

タレントさんだったら、「ちょっと別件」や「ちょっと風邪」で来ないなんてことは、絶対にありません。よく番組などでタレントの遅刻がネタになっていますが、実は芸能界ほど時間を守る業界はありません。なぜならタレントたちは皆、自分の名前で勝負しているからです。

「大人の事情で」と言い訳する人は、会社名に甘えている

一回でも遅刻をすれば評判は落ちますし、多くのスタッフに迷惑がかかる。本当に仕事にならないのです。

サラリーマンが遅刻するのは、自分の名前で仕事をしていないから。名刺に刷られている会社名に甘えて仕事をしているだけです。

この甘えは、相手に無理を押し付けざるをえない時の一言にも現れます。

「すみません、こっちも仕事なんで」「一応、そういう決まりでして」と言う人はどこか責任を所属組織のせいにしていて、自分の名前で仕事をしていません。若い人が「偉い大人の事情で……」などと言って、何かができないことを言い訳するのも同じです。

自分の名前で仕事をしていれば、「僕の顔に免じて許してください」という言葉が出てくるはず。

自分の名前で勝負をしていないうちは、運が開きません。会社にしても自分の名前で仕事をしている人には運が訪れますし、芸能界でも事務所の権威を振りかざして仕事をしている人からは、運が逃げていくのです。