売れっ子は運を引き寄せる仕組みを持っている

繰り返しますが、「開運」の仕組みは論理的に説明できます。

これは、僕がTVの仕事でたくさんの「運がつきまくっている」芸能人や文化人を、長年にわたって見てきた結論です。

売れっ子である彼らの言動や思想には、意識的にせよ、無意識的にせよ、運を引き寄せる理屈や仕組みが内包されており、そこから学ぶべきことがたくさんあります。

この連載では、そんな彼らが実践している運を引き寄せる仕組みを紹介していこうと思っています。第1回は僕が尊敬する明石家さんまさんの話です。

「めちゃくちゃいい人だけど、めちゃくちゃ恐い」

さんまさんとは出会ってからかれこれ25年になります。そのためか僕はよく、人から「さんまさんって恐い人ですか」と聞かれるのですが、そういう時には「めちゃくちゃいい人だけど、めちゃくちゃ恐い」と答えるようにしています。

角田陽一郎(著)『運の技術 AI時代を生きる僕たちに必要なたった1つの武器』(あさ出版)

いい人であることに説明は要りませんね。では、なぜ恐いのか。それは、ご自分の名前で番組を背負っているからです。

さんまさんは1992年から2014年まで、TBSの『さんまのSUPERからくりTV』(初期は『さんまのからくりTV』というタイトル)という番組をやられていましたが、もし「『さんまのSUPERからくりTV』がつまらない」となると、「さんまさん自身がつまらない」ことになってしまいます。自分がMCの番組をやる、つまり番組を背負うのは、他の番組にゲスト出演する時とはわけが違う。だから番組作りにはものすごく厳しく、その厳しさが時に「恐い」という印象を周囲に抱かせるのです。

自分の名前で勝負しているから、あらゆる瞬間に必死。当然、番組への理解力もコミット力も半端ない。それがおろそかになったが最後、番組がつまらなくなり、自分の名前に傷がつく。

さんまさんは、そんな危機感から番組作りに厳しくなり、同時にそうすることでご自分の運も上げ続けています。