参院選の1人区では野党は連携をせざるを得ない

【塩田】今後は共産党とはどういう関係を。

【福山】同じですね。参院選の1人区では、野党は連携をせざるを得ない。16年の参院選も同じで、11議席取れた。1人区は候補者を一本化したことで僅差で勝ったわけです。共産党というよりも、自由、社民、民進も、1人区の戦い方は一本化すべきと考えています。複数区に関しては、総選挙で5人も衆議院議員が誕生した大阪では、間違いなく立憲民主党として候補を立てなければいけない。5人区の東京もそうです。

【塩田】総選挙となって、野党再編を目指して希望の党との合流を決めた前原さんは、結果的に選挙は不振でしたが、インタビューで「あの決断に悔いはない」と言っています。この選択をどう受け止めていますか。

【福山】結果として立憲民主党ができました。前原さんの決断の結果、国民の期待をいただく野党側の政党の核が一つできたのはよかった。一方で、仲間が別れた。その点では、可能性としてほかのやり方もあったかもしれないと思う。これからそれぞれの政治家がどういう歩みをするかによって、後世の人たちに評価してもらうしかないと思います。

【塩田】国会の開会前、民進党を中心に、野党の統一会派結成の話がありましたが、不調に終わりました。立憲民主党は国会での共闘や統一会派問題にどんな方針で臨みますか。

【福山】希望の党とは、理念、政策が異なるということで選挙を戦ったので、選挙後わずか3カ月で希望の党全体と一緒になるのは考えられないと思います。選挙であれだけの支援をいただいた国民の期待があります。急に統一会派といわれても、それは無理です。

国会での共闘は、安倍政権に対峙する一番の戦場ですから、野党が共闘できるところは当然、共闘すればいい。森友・加計問題含めた安倍政権のスキャンダル、さらには働き方改革など、課題ごとにきちんと連携すればいい。そこははっきりしています。

われわれは今回、本当に国民のみなさんに救っていただいた集団です。昨年の年末までに綱領も確定し、基本政策も策定した。党員に代わる立憲パートナーズという新しい制度も準備して、春ごろには国民に広く呼びかけたいと考えています。民進党のみなさんは、一緒にやってきた仲間で、信頼関係はあるので、コミュニケーションを図りたいと思いますが、われわれは民進党から分かれたといっても、新しい政党として、政策決定も含めて党のあり方を模索しながら国民とつながっていきたいということです。

福山哲郎(ふくやま・てつろう)
立憲民主党幹事長。参議院議員。
1962(昭和37)年東京生まれ(現在56歳)。京都府立嵯峨野高校、同志社大学法学部法律学科卒。京都大学大学院法学研究科修士課程修了。86年に大和証券に入社。90年に松下政経塾に入塾。96年の総選挙に出馬して落選(京都1区。民主党公認)。98年の参院選で初当選(現在、4期目)。旧民主党に入党し、民主党政権誕生後、2009年に鳩山由紀夫内閣の外務副大臣、10年に菅直人内閣の官房副長官となる。野党転落後、民主党の政調会長、民進党の幹事長代理を歴任。17年に立憲民主党に入党して幹事長となる。趣味は茶道、野球、書道。俳優の福山俊朗は弟。著書は『原発危機 官邸からの証言』(ちくま新書)など。
(撮影=尾崎三朗)
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