2017年12月からAI技術を活用して短時間で審査、融資が受けられるオンラインレンディングサービスが始まった。オリックスと弥生が共同で設立したアルトアは、「弥生会計」を利用している法人を対象に「アルトア オンライン融資サービス」を開始し、順次、個人事業者や他社の会計ソフト利用者にも広げていく予定だ。アメリカや中国で発展しているオンラインレンディングを日本でも始めたかったと語る岡本浩一郎社長に狙いを聞いた。
岡本浩一郎・アルトア社長

融資をあきらめていた経営者のために

中小企業経営者にとって、つなぎ融資などの資金繰りは悩みの種だ。売掛金の入金を予定して、仕入れ先への支払い計画を立てていたのに入金が遅れて、急きょ100万円が必要になった、といったことはめずらしくはないだろう。

しかし、よほどつきあいが長く、信頼関係の厚い金融機関でもない限り、1週間以内に緊急融資してくれることなどめったにない。下手をすれば高利の街金に手を出さざるを得ない。

オリックスと会計ソフト大手の弥生が共同で設立したアルトアは、こうした経営者にとって朗報と言えるオンラインレンディングサービスを2017年12月から開始した。

「アルトア オンライン融資サービス」という名称で、少額短期に特化してネット上で短時間で融資を実行する。まずは弥生会計を利用している法人を対象にスタートし、順次、個人事業者や他社の会計ソフト利用者にも広げる計画だ。

同社の岡本浩一郎社長(48歳)は、自社サービスのメリットをこう語る。

「これまで金融機関から借りようとすると、審査の結果がいつ出るか分からない、審査が通ってもいつ融資してもらえるかわからないので借りることを断念している経営者の方々が多いのです。アルトアではネットによってお申し込みいただき、審査結果を当日中に返して、審査が通れば遅くとも3~4営業日後に融資できるので資金繰りの計画を立てやすいのです」

同社の融資サービスは、50万~300万円の融資額で、返済期間は最長1年間、金利は年3.8~14.8%だ。審査スコアによって金利は決まるが、「平均的には7~8%となるでしょう」と岡本社長。

弥生が弥生会計のユーザーに対して行った調査によれば、法人のうち85%は短期資金のニーズがあるが、実際に金融機関から借りているのは48.8%で、借り入れをあきらめているユーザーが31.7%いる。アルトアのサービスはこの潜在需要をターゲットにしていると共に、借りることができた法人も代表者が個人として借り入れたり、借り入れに手間と時間がかかるなど不満も多く、こうしたユーザー層も視野に入れている。