AIが審査プロセスを代替

それでは、アルトアのサービスをどのように利用すればいいのか。

アルトア公式サイトより

借り入れの申し込みでは、アルトアのサイトから会社と代表者の基本情報を入力して、弥生会計の会計データ(仕訳データ=取り引きや金融機関の入出金などの記録、少なくとも1期分が必要)をアップロードすると、瞬時にAIが審査を行い、融資の可否と金利が決まる。

借り入れ条件に納得すれば、返済方法、借入金額、借入期間、用途を入力すると、返済スケジュールが表示されて、確認すれば手続きは完了だ。署名や捺印なども不要。最短では即日に入金される。

ただし、初回利用時のみ本人確認が必要となる。法人の登記簿謄本(履歴事項全部証明書)と代表者の運転免許証、またはパスポートをスキャンしてアルトアのサイトからアップロードする。また、スマホであればその場で写真を撮ってアップロードすることもできる。その後、法人と代表者それぞれに確認コードが郵送されるので、そのコードをサイトのマイページに入力すれば登録完了だ。

通常、金融機関との契約では、印鑑証明書、決算書、試算表、借入申込書、金銭消費貸借契約証書など多くの書類を提出しなければならないので、その簡便さは一目瞭然だ。

「金融機関も別に貸したくないというわけではないのです。しかし、貸し倒れは避けたい。そこで審査が必要になるわけですが、丁寧に対応すればするほど時間と手間がかかり、少額短期融資では採算が合わないのです。私たちは、AIを使って審査のコストを下げ、限られた利息でも採算が取れるようにビジネスモデルを構築しました」と岡本社長。

弥生会計データには、顧客との詳しい取引状況や金融機関との入出金情報など日々の動きが記録されている。取引社数と売り上げの構成比、収入の安定性など決算書では読み取れない情報をAIが分析するわけだ。

「AIが特別なことをやっているわけではなく、人間による審査プロセスをAIが代替しているだけです。人間の審査は担当者によってばらつきが出ますが、AIは安定した結果を出すので、貸倒率はそれほど高くないと見ています。ただし、ただし、融資をする以上リスクを取ることは当然必要ですから、一定程度の貸し倒れは織り込んでいます。」