金持ち地域のゴミから住人の健康志向が透けて見える一方、「お金持ちの住む地域ではタバコの吸い殻はあまり見ないんですけど、貧乏な地域ではタバコのゴミはよく見るんですよ!」と滝沢さんは熱弁する。ほかにも貧乏な地域で出てくるゴミを見ていると、ひとつの“ある傾向”が見えてくるという。

「アイドルの握手券付きのCDや発泡酒、日本酒の一升瓶や栄養ドリンクが多いですね。ほかにも、資源ゴミじゃなく、燃えるゴミの日に少年マンガ誌が大量に出てくることもよくあります。タバコもそうですけど、どれも小さく依存するものなんです。貧乏な人っていうのは、小さな依存が大きな消費になってしまっているんだろうなって。ほかにも、有名なサブカルの施設が近くにある地域では、アダルトゲームのパッケージが捨てられているのもよく見ますね(笑)」

ゴミ清掃員として働くことで、さまざまな発見があったという滝沢さん。よくわからないゴミと遭遇して困惑した経験もあるのだとか。

「ある時、高級住宅街で30リットルのゴミ袋いっぱいに“えのきバター”の食べ残しが捨てられていたんです。周りには飲食店もなくて、『こいつら、こんな大量のえのきバターで何してんだ!?』ってなりました。ゴミの出し方はきちんとしているけど、果たして一体何をやっているんだって。イガグリが捨てられていたこともあった。イガグリのイガをむいて食べようとはなかなか思わないですよ。土地や畑を持っているんでしょうね」

ゴミが映し出す地域と世相

ここまで滝沢さんにゴミと地域の関連性を聞いてきたが、ゴミから世相もうかがえるようだ。

「缶コーヒーのゴミが5年前より明らかに減りました。コンビニコーヒーが充実し始めた影響なのかな、と勝手に分析しています」

ゴミはその時代と地域を映し出す鏡なのかもしれない。冒頭に紹介したツイートシリーズでも「次、引っ越しする時、きっと僕は集積所を見る」と記していた滝沢さん。最後に、こんなことも言っていた。

「捨てられたゴミに無頓着な地域に住む人たちは自分のことで精いっぱいで、誰かが捨てたゴミがあったら自分もそこに捨てていいかもって、流れに身を任せてしまうんでしょうね。だから逆に、ゴミ集積所をきれいにすれば、その地域自体がよくなるのかもしれませんね」

引っ越しのときだけでなく、自分が今住んでいる地域について知りたい人は、一度、近くのゴミ集積所を回ってみてほしい。きっと新たな発見があるはずだ。

滝沢秀一(たきざわ・しゅういち)
お笑い芸人
1976年、東京都生まれ。1998年に西堀亮とお笑いコンビ「マシンガンズ」を結成。「THE MANZAI」2012,14年認定漫才師。14年、『かごめかごめ』(双葉社)で小説家デビューを果たしている。〈https://twitter.com/takizawa0914
(構成=須賀原みち 撮影=市村 岬)
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