すでに核兵器の保有を宣言している北朝鮮は、11月29日、米本土への攻撃も可能な大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射実験に成功したと発表した。国際社会による北朝鮮への働きかけは今のところ功を奏していない。この状況を「動かす」にはどうしたらいいか。プレジデント社の公式メールマガジン「橋下徹の『問題解決の授業』」(12月5日配信)より、抜粋記事をお届けします――。

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藤原帰一氏の「通常兵器による抑止力」は、ここがおかしい

こないだ東大で行われたシンポジウムに行ってきた。「核の脅威にどう対処すべきか」というテーマ。国際政治学者の三浦瑠麗さんの所属する東大政策ビジョン研究センター安全保障ユニットと長崎大学核兵器廃絶研究センターが合同で行ったもので、13時から16時30分までみっちり3時間半。もちろん僕は一般聴講者として参加したよ。

北朝鮮問題に関してメディアを賑わしている学者の意見を聞いても、ビビッと感じるものがない。現状を説明して、あとは北朝鮮問題は難しいですね、解決策は浮かばないですねという話ばかり。この方向に行けば解決の糸口が見えるかもしれないと感じるような意見は皆無なんだよね。

政治家は解決に向けて何らかの方策を採らなければならない。評論家のように意見を言うだけじゃダメだめなんだ。ゆえに少しでも事態を動かすきっかけ、糸口が欲しい。しかしこの北朝鮮問題に関しては、一度この方向に行ってみるか、と政治家に思わせるような提言が学者からなされることはほとんどない。ほとんどが現状の解説なんだよね。

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東大での藤原さん(藤原帰一・東京大学大学院教授)たちの議論も、北朝鮮は悪い、世界から核をなくしていくことが良いことだ、という大前提を基にしていた。そこへの疑いはなさそうだった。ただし、アメリカが正しいという前提はなさそうだった。この前提を基に、藤原さんには、さらに興味深い認識の前提があった。それは「通常兵器による抑止力は認めるが、核兵器による抑止力は認めない」というもの。

北朝鮮問題に対する国際社会の対応が手詰まりになっている現在においては、誰もが当然視している「核兵器NO」、「核による抑止力NO」、「北朝鮮NO」という大前提についてもう一度疑ってかかる必要がある。この大前提に狂いはないのかという視点で。

そうすると元政治家の僕としては、藤原さんが前提としていた「通常兵器による抑止力は認めるが、核兵器による抑止力は認めない」というころには強い違和感を覚えるんだよね。

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