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むしろ「地毛登録制度」のある方が子供の権利は守られる
毎日新聞が行った大阪府立高等学校に対するアンケートの回答では、回答した学校の6割で「地毛登録」を行っているとのこと。さらに、このアンケートの回答によれば地毛が茶色の場合に黒染め指導する学校はないようだ。地毛の色はそのまま認めるということ。
まあ、そもそも地毛登録というのは地毛が茶色の子供にまで黒髪を強制することがないようにするものだから、地毛登録をしながら地毛が茶色の場合に黒染め指導するというのはおかしな話だね。つまり地毛登録制度は子供たちを守るためのものであって、それがない方が、地毛が茶色の子供が黒染め指導されるリスクが高くなる。
教育評論家の尾木直樹さんは、この地毛登録制度について「生徒の身体的特徴や遺伝に関わる情報を収集するものでプライバシーの観点から問題がある」なんて軽薄なコメントを出していたけど、地毛登録制度がある方が、地毛が茶色の子供が守られることへの思いが及ばない。さらに「強制的に黒髪にさせても教育上効果がない」とコメントをしているけど、これは教育現場の現実について全く悩みのないコメントだね。尾木さん、本当に教育現場で仕事していたのかね。
尾木さんは気付いていないのか、知らないのか、学校現場には次のような悩みが現実に存在する。
大阪府内の中学校や例の懐風館高校では、生まれつき髪が茶色でも黒く染めさせる指導をしていたという報道がある。ここは報道が錯綜しており、生まれつきの髪が茶色ならその色を認めて黒く染めさせてはいないとの報道もある。
いずれにせよ大阪の教育現場の教員に話を聞いてみると、生まれつき髪が茶色の子供がさらに茶色に染めてきてトラブルになることが多いらしい。明らかに茶色に染めているのにそれを指導すると地毛だと主張する。確かに地毛は茶色で、学校側も地毛の茶色は認めるけれど、さらなる上乗せの茶色染めは認めない。このような指導なら一概に学校が悪いとは言えない。懐風館高校の訴訟の件は、まだ生徒側の主張しか報道されていない。この段階で今回の件を断じるのは非常に危険だ。これから学校側の主張も出てくるので双方の主張をしっかりと見てから現実の問題について悩むべきだ。学校側は指導に問題がなかったと主張しているので、自称インテリが一斉に批判しているような単純な案件ではなさそうだ。双方の主張をしっかりと見ていきたい。懐風館高校を批判している自称インテリの主張を見ると、学校現場の現実の悩みには何ら思いを寄せていない感じだね。学校現場からのヒアリングもせずに批判だけしている。地毛が茶色の子供がさらに茶色に染めている教育現場の状況など全く想像もできないんだろう。
さらに現場の意見としては、もし生まれつきの茶色はOKだとしたら、多くの子供や保護者が、「自分(この子)は生まれつき茶色だ」と言ってくる懸念がある、とのこと。まあ端的に言えば、嘘を付いてくるということだね。子供や親を信用していないのか! と言われるかもしれないけど、これが大阪における現実なんだよね。
もちろん大阪の学校の全て、大阪の保護者全てがそういうわけじゃない。だけど学校がいわゆる荒れていて、指導が大変な学校では、そのような子供や保護者が多くいるということも大阪の現実なんだ。
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