11万部超のベストセラーとなった『哲学用語図鑑』から2年。ついに『続・哲学用語図鑑』(田中正人著、斎藤哲也監修)が発売となります。目玉は「中国編」と「日本編」。書籍に収録した全70人の哲学者のうち、今回は「中国編」から、孔子、老子、孫子、墨子、荘子、孟子の6人を紹介します。その哲学がギュッと詰まったイラストをご堪能ください――。

中国思想の源流にある「諸子百家」

『続・哲学用語図鑑』(プレジデント社刊、田中正人著、斎藤哲也編集・監修)

「哲学」という用語は、philosophy に対する日本語がなかったため、明治期に思想家の西周が作り出した訳語です。その後、中国は日本を経由して、「哲学」という訳語を使うようになりました。中国にも日本にも、物事の原理を問う思想の営みは古くからあります。しかし西洋とは違い、哲学(論理)と宗教を明確に分ける枠組みはなく、「宗教」という概念もありませんでした。

考え方の枠組みが違うのですから、西洋の概念である「哲学」を中国思想にあてはめることは、本来はできません。ただし、中国には、孔子や老子といった、日本にも計り知れないほど大きな影響を与えた「諸子百家」と呼ばれる学者たちが存在しました。彼らの言葉や思想は、西洋とは異なるスタイルで、世界や人間の根源的なあり方について考えるものでした。それらは、中国独自の「哲学」といえるものです。

中国思想の源流には、諸子百家の思想があります。本書では諸子百家の思想を「中国哲学」として紹介します。