サラリーマンでも簡単に起業できる

「破産しかけた銀行員」――それが、かつての私です。「早く借金地獄から抜け出したい」ともがいても、サラリーマンである限り、いきなりは収入が増えません。その時はじめて、サラリーマンがお金持ちになることを阻む「4つの壁」があることを痛感したものです。

節税したくてもできない「税制の壁」、努力が即座には昇給に反映されない「給与体系の壁」、副業を禁止する「就業規則の壁」、そして転職すればするほど給与が下がりかねない「転職市場の壁」です。

とはいえ、確実に一定額をもらえる給与は、命をつなぐ綱でもあります。そこで、これを補助輪としながら、妻を社長とするプライベートカンパニーを起業し走らせることにしました。

サラリーマンが副業を考えるとき、最も気になるのは就業規則の壁でしょう。「マイナンバー」によって「副業がバレるのでは?」と危惧する声は、ますます高まっています。しかし、妻を社長にしてプライベートカンパニーを立ち上げる形であれば、就業規則違反になりません。

プライベートカンパニーの立ち上げ自体はとても簡単です。ポイントは、株式会社ではなく合同会社にすること。「会社設立ひとりでできるもん」のような会社設立サポートサービスを活用すれば、専門知識がなくても、定款作成から登記申請まで、あっという間に法人設立が可能です。その費用は総額で6万5000円程度(2016年6月20日現在)。

注意したいのは、夫と妻の両方が出資すると、2人とも「社員」として合同会社の共同経営者となるため、サラリーマンである夫が会社の副業禁止規定にひっかかってしまうこと。そこで妻を「業務執行社員」、つまり株式会社の代表取締役のような立場にします。すると夫は自動的にただの出資者に格下げされて経営者から外されるのです。

税金の面でも図に示す通り、世帯収入を分散することでメリットが大きくなります。そのうえ法人は、税制面で大いに優遇されています。課税所得が400万円あれば、個人の場合、20%の所得税と10%の住民税で合計30%もの税金を支払わなければなりません。しかし中小企業であれば、法人税や住民税、事業税などを合わせても実効税率は21%程度ですみます。

さらに日本の法人の約7割は赤字であり、7万円の住民税しか支払っていない中小企業も珍しくないという事実。その意味するところは容易に推察していただけるはず。しかも法律上グレーなタックスヘイブンと違い、プライベートカンパニーは会社法に基づいて設立するので、後ろめたいことも全くないのです。もちろん、節税するには相当の売り上げや利益がなければ意味がありません。まずは経営を軌道に乗せることを考えましょう。

つまり、そもそも最も重要なことは「何を」生業とするのかにつきます。小さな金額から始められ、簡単に学べて再現性があり、本業の片手間にできること。そして、できれば妻のモチベーションも上がり、家事の合間にでき、無理なく続けられること。私たちの場合は銀行融資も受けやすい大家業(不動産賃貸業)を選択しました。家族で取り組みたいミッションや趣味、特技などを生かすことから考えてみてはいかがでしょうか。