ツイている奴とツイてない奴。その日々の言動の違いを、日本のメンタル/ブレイントレーニングのパイオニアが解析した。今日から運がよくなる、5分間レッスン!
努力だけで成功はつかめない。ツキや運も必要だ。多くの人がそう感じているはずです。しかし、同時にツキや運は偶然の産物だと思い込んではいないでしょうか。
実は、そう思い込んでいる限り、ツキや運を引き寄せることはできません。では、どうすればツキや運に恵まれるでしょう。
答えは単純明快。常に「自分はツイてる」と思う、ただそれだけ。「私はツイてる」と考えることを習慣づければいいわけです。逆に「自分はツイてない」と思ったり、他人の幸運をうらやむことが常態化すると、ツキに見放されてしまいます。なぜならば、そもそも人間の脳の仕組み、感情の動きがそのようにできているからです。
私は45年以上にわたって脳科学と心理学を研究し、北京五輪で金メダルを奪取した女子ソフトボール日本代表をはじめ、多くのスポーツ選手や経営者を精神面の強化によって成功に導く指導をしてきました。
その経験から明らかなのは、脳の錯覚を上手に利用すると人間の精神力は高められ、結果としてツキや運が呼び寄せられる。さらには、その人が気づいていない潜在的な能力までが引き出されるということです。
「自分はツイてる」と思い続けると、なぜツキが回ってくるのか。それと脳の働きがどう関係しているのか――まずは、そこからお話ししましょう。
一般に脳は、「体を支配している」と思われています。しかし、これは大きな誤解。実際は、「体に働かされている」のです。
単体の臓器としての脳は、他の臓器の助けがなければ何の情報も得ることができません。判断や思考のために必要な情報は、目、耳、鼻、舌、皮膚などの感覚器と神経系によって脳にもたらされます。喜怒哀楽の感情も、それらの情報から生まれます。
しかし、脳は時間をかけて情報を吟味し、判断しているわけではありません。もたらされた情報を瞬時に「快」か「不快」かという物差しで評価します。
例えば、人は美しいものに目を奪われ、汚いものから目を背けますが、その反応は一瞬です。つまり、快いか不快かの判断が、その後の思考パターンを左右することになるのです。
心理学ではこれを「快不快原則」、あるいは「快楽の原則」といいます。脳科学では脳の奥にある扁桃核という神経組織が、この快・不快の信号を出しているとしています。