何かしらの幸運があって「ツイてるぞ」と思ったとき、脳は「快」状態になり、プラス思考が働き、「快」を増幅しようとします。もともと脳は、新しいことや楽しいことが大好きですから、「快」状態にある人はどんどん意欲的になります。いろいろなアイデアも浮かびますし、多少の困難があっても苦にせず、積極的にそれを行動に移そうとします。

逆に、嫌なことがあって「ツイてないな」と思うと、脳は「不快」状態になり、マイナス思考が働き、物事を悪いほうへ悪いほうへと考えがちです。このマイナス思考こそが、ツキに見放される最大の原因です。

つまり、ツキを呼ぶ大原則は「自分はツイてる」と脳を錯覚させて「快」状態に保つことなのです。

困難な課題に直面したとき、それでも「ツイてる」「楽しい」と思えるかどうか。100人いれば、恐らく99人は「それは無理だ」と答えるでしょう。

しかし「無理だ」と思った途端、脳は困難の克服を目指して考えることをやめてしまいます。根拠や自信がなくても構わない。とにかく「できる」と思うことが、困難を克服する第一歩です。

根拠のない自信は錯覚のようなものですが、人はある面、脳の錯覚で生かされています。例えば、たいていの人は「自分は他者の平均より優れている」と無意識に思っています。心理学でいう「優越の錯覚」です。「平均より優れている」といっても、平均がどのレベルなのかは曖昧ですから、これはいわば根拠のない自信。しかし、人は優越の錯覚により、自分の可能性を信じて目標に向かうことができると考えられています。