食べる順番、スピード、そして正しい間食を知る

「人類は飢えには強いけれど、飽食には弱いのです。体のメカニズムがそういうふうにできていない。だから糖尿病などがあるのです」(新宿溝口クリニック 溝口徹医師)

では、食生活をどのように変えればよいのだろう。まずは、ランチはチャーハン+ラーメンセットといった炭水化物+炭水化物をやめる。夕飯は寝る3時間前には済ませる。ご飯は極力減らし、肉や魚、野菜などのおかずを多く食べる。もちろん夜食はなしだ。

「ポイントは昼と夜の炭水化物を極力減らしてみること。午後になるとだるくなり眠くなっていたのが、改善されるかもしれません。おそらく寝付きがよくなり、朝の目覚めもよくなるでしょう。ただ、すでに重度の糖質依存の人や鬱病の方が単純に糖質制限すると、かえって疲労感が増したり、自律神経のバランスが乱れて、他の症状がでてきてしまう場合もあります」

とはいえ、炭水化物中心の食生活に慣れた成人男子が、病気でもないのに炭水化物を控え、たんぱく質中心の食生活に変えるというのは意外と難しい。

溝口先生は、神経質にならずに楽しんで糖質制限食を試してみることを勧める。溝口先生のランチはどんなものを食べているのだろう?

「とんかつ屋さんだったら、とんかつとキャベツをたっぷり。衣は食べますが、ご飯は頼まず、味噌汁は飲みます。ステーキ屋さんだったら、最低300グラムはいきますね。パンは食べないけれど、つけ合わせのトウモロコシは食べます。コンビニでもサラダとゆで卵と唐揚げなどを組み合わせればできます。大事なのは、食事を変えたことで、食後の自分の体調、心の状態がどう変わるのかを観察することです」

食べる順番も一工夫してみよう。血糖値を緩やかに上げるには、繊維質の多い野菜サラダにオリーブオイルをかけ最初に食べる。食物繊維と油の影響で吸収がゆっくりになるからだ。次に肉や魚のメーンを食べ、味噌汁を飲み、最後に炭水化物をごく少量摂るという流れ。そして早食いをせずに、ゆっくり食べることを心掛ける。こうすれば消化吸収が穏やかになり、インスリンを必要以上に分泌せずに済む。

それでも夕方、お腹が空いてしまった場合はどうすればよいのか。

間食の定番、スナック菓子は避け、代わりにゆで卵やナッツ、チーズを。ココナッツオイルをひと匙舐めるのもよい空腹対処法。

「血糖値は夕方になると下がりますが、それをバックアップできない人は、眠くなったりしてパフォーマンスが落ちます。そういう人は、ナッツとかゆで卵をつまむといいでしょう」

 
溝口徹
国立循環器病センターなどを経て、2003年日本初の栄養療法専門クリニックとなる新宿溝口クリニックを開設。栄養学的アプローチで、精神疾患のほか多くの疾患の治療にあたる。著書に『「疲れ」がとれないのは糖質が原因だった』ほか多数。