男がタバコを吸う姿はカッコイイ

この夏、東京・銀座4丁目の時計塔で知られる高級専門店「銀座・和光」で開催された写真展、『貌・KAOII 白鳥写真館 これから…』には、日本広告写真家協会会長で写真家の白鳥真太郎さんが、芸能、文化、学術などの分野を代表する人物を撮影した作品が集められた。北野武さんをはじめ、映画界の大スターや演歌の大御所、東京五輪の有名建築家やノーベル賞受賞者まで、すごいメンバーが揃った。そして、そんな錚々たるメンバーの一人に私も選んでいただいた。白鳥さんを官邸にお招きし、じっくりお話を伺った。

【飯島勲】私のような荒くれ者が被写体でよかったのですか?

写真家 白鳥真太郎 
国立千葉大学工学部写真工学科卒業後、資生堂宣伝部写真部、博報堂写真部(現・博報堂プロダクツ)を経て、89年に独立。ADC制作者賞、APA賞、毎日広告デザイン賞最高賞、日経広告賞グランプリ、読売広告大賞金賞、朝日広告賞、APAアワード経済産業大臣賞、ACC全日本CMフェスティバル金賞、ほか受賞歴多数。

【白鳥真太郎】定年と言われる60歳を超えてもまだまだ大きな夢をお持ちの方にお声がけさせていただきました。お断りになるかと思っていたのですが、撮影スタジオに来ていただいて光栄です。

【飯島】撮影の2日前に、私が北朝鮮へ行ったことで、日本中が大騒ぎになっていたのを覚えています。

【白鳥】そうなんです。そのとき飯島さんは「記者をうまくまいてきた」とおっしゃっていました。

【飯島】そうでしたね。当時は、記者相手に「隠れんぼ」をしていました(笑)。週刊誌のカメラマンは、私たち永田町の人間の「ダメな顔」を狙っています。ちょっと下を向いた瞬間とか、おかしな表情を切り取ろうと狙うので、私は写真にいい思いはこれまで持っていませんでした。

【白鳥】報道のカメラマンとは少し違うかもしれません。今回は、特に、被写体の自然な表情が出る瞬間を写そうと考えていました。