住宅ローンは“いい借金”

家計に少し余裕ができて、住宅ローンの返済額を当初の計画より増やせそうな場合、2つの選択肢が生まれます。

(1)余裕を住宅ローン返済に回して、なるべく早く返し終わるようにする。
(2)返済は当初の約定どおりとし、余裕資金は貯蓄として手元に残したり、投資に充てたりする。

(1)は、多くの人に共通の心理に違いありません。しかし、その選択は正しいのでしょうか。

何より、住宅ローンは“いい借金”です。各種ローンと比べると現在は金利が非常に低く、しかも長期で貸してくれるものだからです。逆に教育ローンや自動車ローン、カードローン等は割高です。繰り上げ返済したせいで、子供の入学金が準備できず、あるいは子供の結婚資金や親の入院費用を援助できず、割高なローンに頼る羽目に……これでは賢い選択とはいえません。

闇雲に動かずに、人生をトータルに俯瞰したライフプランを持っておくことが大切です。今後、どの時期に、どの程度の金額が必要になり、その資金はどうするか。それを考えれば、現金を手元に残すほうが必要と判断するに至ることも少なからずありうるのです。