「いつも自分は損ばかりしている気がする」そんな人は、ここに挙げるような行動をしている自覚はないだろうか?

スマホのゲームにハマってしまう

行動経済学的に非常にリスキーな仕組みが満載なのがソーシャルゲームです。

仕掛けられたワナは3つあります。まず1つ目は、「確率の誤謬」つまり、確率を見誤ること。この手のゲームは、直観的に正確な確率がわかりにくいように作られています。

たとえば「サイコロを1回振るごとに100円の料金がかかるが、全部揃ったら賞金を1000円あげます」というゲームがあったとします。みなさんはどれぐらいの回数を振れば全部の目が揃うと思いますか? 確率計算すると14.7回なのです。つまり1000円もらうために平均的に使う金額は1470円ですから、これは頑張っても、利用者が儲かることはない仕組みになっています。

2つ目は、「希少性原理」。ソーシャルゲームでは、希少性のあるレアアイテムは特定のアイテムを複数揃えることで入手することができます。それが単なるデータにすぎないのに、希少であるがゆえに価値があるもののように感じてしまうのです。

3つ目は、「サンクコスト」。すでに払ってしまった、戻ってくる可能性のないお金のことです。厄介なことに人はこれにとても強いこだわりを持ちます。「ここまでお金をつぎ込んだのだから、いまさらやめられない!」という気持ちが損を拡大させるのです。

こうしたゲームをするときは、利用者がいくらかの損は覚悟の上で、ほどほどにすべき。それが大人の楽しみ方なのではないでしょうか。

大江英樹
1952年、大阪府生まれ。野村証券で個人資産運用、企業年金制度のコンサルティングなどを手掛ける。2012年、オフィス・リベルタスを設立。行動経済学の研究からその問題点や解決法に切り込む講演・セミナーが人気を博している。『その損の9割は避けられる』『老後貧乏は避けられる』など著書多数。