全国の「虎」を発掘せよ!

私自身も、北海道から沖縄までいる虎たちを実際にリサーチする必要があると思っているが、北海道から沖縄まで一つのセクターとして存在しているという認識が広がれば、その人たちと商売しようとか、この人たちを利用しようとか、就職しようとかいう人たちが出てくるのではないか。

彼らは、ビジネスのマインドもあるし、たくましく、1回や2回倒産してもくじけない強さがある。自身の稼ぐ力を認識しているし、ほかの企業が稼げない理由も、リスクを取る意味もわかっている。なにより現場にいるだけに商売のリアリズムがあり、地域や日本についてのリアルな視点も持っている。既に実績があり、基盤があり、アイデアも持っているヤンキーの虎たちに資本を投入すれば、企業として成長する可能性は高い。

地方経済のひとつの主体として、さまざまなビジネスを牽引しうる存在として認識し、優れた人材を採用できるような支援をするのもいい。

日本全体が国土として成長していくには都市型のベンチャーを育てるのもいいが、東京のベンチャーを数十社つくるよりも、ヤンキーの虎を活躍させ、地方に100社、1000社とつくることのほうが、雇用や税収面でも重要である。そのほうが社会的なインパクトがあり、政治課題としては大きいはずである。

藤野英人(ふじの・ひでと)
レオス・キャピタルワークス社長兼最高投資責任者。1966年、富山県生まれ。90年早稲田大学法学部を卒業後、野村投資顧問(現野村アセットマネジメント)に入社。96年ジャーディン・フレミング投信・投資顧問(JPモルガン・アセット・マネジメント)に転ずる。一貫して中小型株・成長株の運用に携わり抜群の運用成績を挙げたため、カリスマファンドマネージャーとして名を馳せる。2003年レオス・キャピタルワークスを創業、主力商品の「ひふみ投信」は4年連続でR&Iファンド大賞に入選している。著書に『投資家が「お金」より大切にしていること』『投資バカの思考法』『ヤンキーの虎』など多数。 レオス・キャピタルワークス>> http://www.rheos.jp/

(後編に続く)

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