まいど、「相場の福の神」ことSBI証券シニアマーケットアナリストの藤本誠之(ふじもと のぶゆき)です。藤本は、現在ほぼ1日に1社のペースで、上場企業の経営者やIR(投資家向け広報)の担当者との個別面談を行っています。延べ年間200社以上と個別面談を行っていると、業績が成長し、安定的に利益を出し、株価が堅調な企業には、様々な要因があることが判ります。その中でも重要な要因に「人材活用術」があります。企業は、そこで働く経営者・役員・従業員が、それぞれの責務を果たすことによって成り立っています。いかに優秀な経営者であったとしても、一人で会社を動かすことはできません。そこに集う人材によって、会社は大きく成長していくからです。この連載では、藤本が会った様々な成長企業の経営者から、その企業の概要や今後について聞き、人材活用術について語っていただいた内容をご紹介いたします。

第3回は、特定業種や職種に特化した総合人材サービス業のインターワークス(6032 東証マザーズ)です。

ニッチ業種、職種でもトップシェアで注目

インターワークスは東京都港区西新橋に本社があります。工場労働者の「工場WORKS」、アパレル販売員の「アパレルWORKS」の求人情報サイトを運営している企業です。1991年に創業、2014東証マザーズに上場しています。雨宮玲於奈社長に人材活用法を聞いた。
――ビジネスの概要を説明してください。

私の前職は、リクルートです。そこで、「リクナビ」などの人材関連サービスの責任者として、役員を務めていました。リクルートが対象としていない特定の業種・職種に特化した総合人材サービス事業に注目しました。これなら、リクルートと競合することもなく、リクルートで培ったノウハウや経験を活かすことが出来るからです。リクルートが対象としていたのが、金融やプログラマーなどいわゆるホワイトカラーの職種です。だから、ターゲットを工場労働者やアパレルの販売員などに絞りました。また、リクルートが得意としていたのは、ネットを使ったサービス提供です。ホワイトカラーはPCでネット検索を行って、転職先を探していたからです。

しかし、工場労働者や、アパレルの販売員の場合、転職先を探す主な方法は、ハローワークだったり、店頭に張ってある求人チラシでした。PCの保有比率が低く、ネット検索して転職先を探すことが少ないのです。しかも、無料で紹介してくれるハローワークが競合先ですから、当初は苦労しました。それが、好転したのがスマートフォンの台頭でした。工場労働者やアパレルの販売員の場合、PCの保有比率はさほど高くないのですが、スマホの保有比率は結構高いのです。

【工場ワークス】公式サイト

具体的には、工場労働者の「工場WORKS」、アパレル販売員の「アパレルWORKS」の求人情報サイトを運営しています。両方とも、この分野ではトップシェアとなっています。単なる求人情報サイトの運営だけにとどまらず、人材紹介事業や採用支援事業など、総合的なサービスを提供しています。

――特徴、強みは何ですか

やはり、その業種、職種ではトップシェアだということです。このビジネスは、求人を探す方と求人を行う企業、この2つをマッチングすることで成り立ちます。トップシェアの企業には、この両者の情報が自動的に集まってきます。だからこそ、マッチングが数多く成立し、多く成立するからまた情報が集まってくるのです。