まいど、「相場の福の神」ことSBI証券シニアマーケットアナリストの藤本誠之(ふじもと のぶゆき)です。藤本は、現在ほぼ1日に1社のペースで、上場企業の経営者やIR(投資家向け広報)の担当者との個別面談を行っています。延べ年間200社以上と個別面談を行っていると、業績が成長し、安定的に利益を出し、株価が堅調な企業には、様々な要因があることが判ります。その中でも重要な要因に「人材活用術」があります。企業は、そこで働く経営者・役員・従業員が、それぞれの責務を果たすことによって成り立っています。いかに優秀な経営者であったとしても、一人で会社を動かすことは出来ません。そこに集う人材によって、会社は大きく成長していくからです。この連載では、藤本が会った様々な成長企業の経営者から、その企業の概要や今後について聞き、人材活用術について語っていただいた内容をご紹介いたします。

第4回は、エレクトロニクス関連事業と、グラフィックスソリューション事業を行っているジャパンマテリアル(6055 東証1部)です。

まったく異なった2本柱でビジネス展開

ジャパンマテリアルは三重県三重郡に本社があります。半導体工場や液晶工場を主たる顧客としたエレクトロニクス関連事業と、グラフィックボード類の国内電子・電機機器メーカーへの企画・販売を行うグラフィックスソリューション事業が2大柱の企業です。1997年に創業、2011年に東証2部に上場し、13年10月に東証1部に指定替えとなっています。田中久男社長に人材活用法を聞いた。
――ビジネスの概要を説明してください。

当社はエレクトロニクス事業とグラフィックスソリューション事業の2つの事業がメインビジネスです。エレクトロニクス事業は、半導体や液晶工場の生産工程で不可欠な特殊ガスに関連した事業からスタートし、現在では、様々なインフラ事業を展開しています。特に創業ビジネスの特殊ガス関連は、特殊ガス供給機器から顧客製造装置までの供給配管施工・特殊ガス供給管理業務・ガス販売の一貫した事業を行っています。

「ジャパンマテリアル株式会社」公式サイト

また、近年では最先端工場の特殊ガス、超純水、薬品、動力、空調等の運転管理を一括して請け負うTFM(トータルファシリティマネジメント)をスタートし、お客様のコストダウンに貢献しています。

グラフィックスソリューション事業では、カナダの Matrox Graphics Inc. のグラフィックボードを中心に、その用途開発・販売・保守を国内で一手に行い、2D、3D、ビデオ編集、科学、医療、金融などの業務用ワークステーションユーザー向けとしてボードを開発製造しており、複数台のモニタを単一ボードによって表示させる機能(マルチディスプレイ対応)では他社にはない強みを持っています。また、製造業で利用されている三次元データをより有効に活用できる設計ソフトを、自社開発し、自動車関連や金型関連など幅広い分野での採用をいただき、三次元設計技術を用いた“もの作り支援ソフト”の普及と開発に全力で取り組んでいます。

――特徴、強みは何ですか

エレクトロニクス事業とグラフィックスソリューション事業のまったく異なった2つのビジネスを行っていることです。着実な安定成長が見込めるエレクトロニクス事業を経営基盤にして、今後、大きな成長が期待できるグラフィックスソリューション事業に注力しています。業績のブレを出来る限り小さくするためにも、重要なことだと思います。

エレクトロニクス事業においては、半導体・液晶などの日本の最先端工場をこれ以上失わずに、発展させることの手助けを行いたいと考えています。日本のものづくり業界の大動脈である「工場インフラの安定稼動」を守る仕事をアウトソーシングで請け負い、コストを低減させることによって、日本の最先端工場のコスト競争力を高めます。当社では、特殊ガスや水処理などの専門技術を多能工化することによって同じ人材で対応することが出来るため、特殊ガスだけ、水処理関連だけの他社の専門化された企業に別々に依頼するより、はるかに安いコストで工場を安定稼動させることが可能なのです。

グラフィックスソリューション事業においては、2020年東京五輪が一つのターゲットになりそうです。デジタルサイネージ(電子看板)が大きなビジネスに成長しそうです。特に、サイネージプレーヤー「BrightSign」によるデジタルサイネージと、ビーコンおよびスマートフォンを連携させることにより実現した情報提供システムである「スマリサ」などが期待の新規ビジネスとなっています。